物語作品などの始まり部分を指す言葉として「プロローグ」と「オープニング」があります。
このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「プロローグ」と「オープニング」の違いについて解説します。
「プロローグ」とは?
「プロローグ」とは、「作品が始まるよりも前に置かれる前置き」を意味する言葉です。
「プロローグ」の使い方
前書きや前奏など「説明や導入を目的に作品のメインとなる部分の前に置かれる簡素な部分」を「プロローグ」といいます。
もともとは演奏や演技の前にこれから行われる演目がどのような内容であるかを説明する「前口上」を指す言葉であり主題とは切り離された独立した部分として設けられていました。
歌番組で歌手が歌う前に司会者が歌の背景やこ歌手の情報などをイントロの間に早口で説明することがありますが、あのような前に述べられる前口上が本来の意味での「プロローグ」に当たります。
現在のところ「プロローグ」という言葉は前口上という意味から転じて「説明や導入を目的とした前置き」の意味で使われます。
これから始まる作品がどのようなものであるかを簡潔に説明したり興味のあるシーンを描いたりなどして作品本編への興味をかき立てるとともにスムーズに引き込む役割を果たします。
小説では「プロローグ」を「序章」と位置づけるのが一般的です。
本編の始まりが一章であるのに対し「プロローグ」はナンバリングがされておらず主題とは直接的に関わりません。
「プロローグ」があると小説がより面白くなったり興味深さで読者を引き込んだりといった大切な役割がありますが主題やストーリーには直接かかわらずなかったとしても作品が成立します。
「オープニング」とは?
「オープニング」とは、「作品などの冒頭部分や始まりの箇所」を意味する言葉です。
「オープニング」の使い方
「オープニング」が表すのは「物事がスタートした時のスタート直後」です。
「オープニング」はさまざまな場面で使われる言葉で一般的なのは「映画や小説など物語作品の冒頭部分」おいう意味合いですがその他にも「お店や施設などが開業してからしばらくの期間」や「チェスの序盤戦」「ドラマやアニメなどで映像とともに主題歌が流れるパート」などの意味で使われます。
どのような使われ方であっても「本編のうち最初の部分」という意味は共通です。
本編や本番の一部を構成しているのでなくなると物事が欠けてしまい成立しなくなります。
「プロローグ」と「オープニング」の違い
「プロローグ」と「オープニング」の違いは「本体との同一性」です。
「プロローグ」は本編や本番とは別に設けられている要素であり前置や説明など本体との同一性はありません。
「オープニング」は本編や本番のうち最初の部分を指す言葉で本体と同一です。
本体の前に付け足されているのが「プロローグ」、本体の中で始めの部分が「オープニング」という違いで区別されます。
「プロローグ」の例文
・『印象的なプロローグで映画が始まった』
・『この小説はプロローグに重要なヒントが隠されている』
「オープニング」の例文
・『楽しみにしていたテレビ番組はオープニングのトークから始まった』
・『オープニングの曲が終了後CMを挟んでクイズコーナーへと続く構成にする』
まとめ
「プロローグ」と「オープニング」はどちらも作品のはじめの部分を指す言葉ですが役割や内容には大きな違いがあります。
混同しやすい言葉なのでそれぞれの定義を理解しきちんと使い分けてください。