物事の評価方法として「相対評価」と「絶対評価」のふたつのやり方があります。
このふたつの方法にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「相対評価」と「絶対評価」の違いについて解説します。
「相対評価」とは?
「相対評価」とは、「複数ある評価対象同士を比べて集団内でどの位置に当たるのか順位をつけて評価する方法」を意味する言葉です。
「相対評価」の使い方
「相対評価」とは簡単にいえば「競い合わせ比べて優劣を評価すること」です。
重要なのは評価対象となる集団での位置づけなので評価対象ではないものと比べたときの優劣は一切関係ありません。
その集団のうちどこに位置するのかを表すものであり集団すべてが優秀でハイレベルなら「相対評価」で下位だったとしても十分な実力があり、出来が悪い集団では「相対評価」で優秀と評価されても集団外と比較すると実力的に劣る可能性があります。
「相対評価」はクラス内での順位や国内ランキングなど集団内での優劣や上下関係を表します。
それぞれの能力を比べてたときの評価なので集団内での良し悪しをはっきりさせたいときに効果的ですが個人の能力とは直接的に関係がないので評価対象が優秀であっても比べる相手がさらに優秀だと評価が下がってしまうという欠点があります。
「絶対評価」とは?
「絶対評価」とは、「あらかじめ設定された変わらない絶対基準照らしあわせて評価する方法」を意味する言葉です。
「絶対評価」の使い方
採点基準やチェックポイントなど「事前に用意された評価の基準に対してどれだけ達成できたのか」で評価する方法を「絶対評価」といいます。
「絶対評価」の「絶対」が指しているのは「評価に使われる絶対的な基準」です。
「絶対評価」における基準は評価を下すすべての人に対して平等でありばらつくことはありません。
異なる評価対象者が同じ結果やパフォーマンスを出した場合、「絶対評価」では優劣をつけること無く同じ評価が下されます。
「相対評価」と「絶対評価」の違い
同じ評価をあらわす言葉でも「相対評価」と「絶対評価」では評価方法がまったく異なります。
相対評価が評価対象とライバルとを比べて優劣を付ける形で評価するのに対し、「絶対評価」では設定された評価基準を元に評価を行います。
明確な基準がなくライバルと比べて評価するのが、等しく適用される明確な基準が存在しているのが「絶対評価」という違いで区別されます。
学校のクラスにおける学力の順位付けのように集団内の序列をはっきりさせるとき用いるのが「相対評価」、他の存在とは関係なく個人や個体の能力を評価するときに用いるのが「絶対評価」です。
「相対評価」の例文
・『数学の点数が低かったがクラス全員出来が悪かったので相対評価では高く評価される』
・『相対評価のせいで実力が正当に評価されていないと感じている』
「絶対評価」の例文
・『クラスではトップだが絶対評価だと中の上レベルである』
・『絶対評価をする前に評価基準となる目標を決めておく必要がある』
まとめ
「相対評価」と「絶対評価」はどちらもメリットとデメリットがあります。
評価のないような目的によってどちらが向いているか変わるので良し悪しを踏まえた上で使い分けましょう。