「白身魚」や「青魚」と呼ばれる魚は、どのような基準で分類されているのでしょうか。
この記事では、「白身魚」と「青魚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「白身魚」とは?
「白身魚」【しろみざかな】は、名前の通り身が白い魚のことです。
一例として、カレイ、タイ、フグ、タラなどが挙げられます。
「白身魚」の身が白いのは、速筋(白筋)と呼ばれる筋肉が発達しており、速筋に赤い色素が少ないためです。
速筋は、底生魚のように普段はあまり動かず、逃げたりエサを捕獲したりするときだけ瞬時に動く魚に発達しています。
速筋を動かすときにはあまり酸素を必要としないため、酸素の運搬に必要な赤い色素タンパク質があまり含まれていないのです。
食用の魚肉としての特徴は、身が柔らかくて脂肪が少なく、味はあっさりしているところです。
加熱調理しても硬くなりにくく、身がすぐにほぐれます。
くせがないので、刺身のほか、煮物、焼き物、鍋など幅広い調理に利用できます。
また、消化が良くカロリーが低いので、赤ちゃんの離乳食や高齢者の食事、療養食などにもよく使われています。
「青魚」とは?
「青魚」【あおざかな】は、背側の色が青く見える魚の一般的な呼び方です。
一例として、イワシ、サンマ、サバ、ブリなどが挙げられます。
「青魚」の背中が青いのは、海上にいる外敵から見えにくいよう保護色になっているからです。
これらの魚は海の表層を泳ぐ近海生回遊魚であり、天敵の鳥の目にとまりやすい背側を目立ちにくい青色にしているといわれています。
「青魚」は、油の中に不飽和脂肪酸のドコサヘキサエンサン、エイコサペンタエンサンを豊富に含んでいるところも特徴です。
これらの不飽和脂肪酸は人の体に欠かせないもので、血液中のコレステロール値を調整して健康を促進するはたらきがあるといわれます。
食用の魚肉としての特徴は、赤身で脂がのっており、特有の生臭さがあるところです。
におい消しや濃い味付けをするとにおいが気にならず、一般には焼き物、煮物、佃煮や缶詰などにして食されています。
不飽和脂肪酸が酸化しやすく魚自体が傷みやすいため、よほど新鮮なもの以外は刺身に向いていません。
「白身魚」と「青魚」の違い
「白身魚」と「青魚」の違いを、分かりやすく解説します。
「白身魚」は身の色が白い魚、「青魚」は背側の色が青い魚のことです。
「白身魚」にはカレイやタイなど味が淡泊な魚、「青魚」にはイワシやサンマなど脂ののった魚があります。
「白身魚」は瞬時に動くための速筋(白筋)が発達しているので身が白く、「青魚」は外敵の鳥に見つからないため背中の色が海のように青くなっているのです。
魚は生態の影響を受けて筋肉の質や皮の色に違いが出ていることがわかります。
まとめ
「白身魚」は身が白くてあっさりした味の魚、「青魚」は背中の色が青く脂ののった魚です。
調理したものを実食してみれば、その違いは比較的見分けがつきやすいでしょう。