一定周期で繰り返されることをあらわす言葉として「ごと」と「おき」があります。
このふたつの違いはどこにあるのでしょうか。
今回は、「ごと」と「おき」の違いについて解説します。
「ごと」とは?
「ごと」とは、「何かあるたびに毎回、毎度」という意味の言葉です。
「ごと」には「~とともに」という意味があります。
「皮ごと食べる」という場合は中身だけではなく皮とともに食べることを意味しますが、そこから転じて「何かことが起きたときはそれとともに」という意味でも使われています。
「基準となる物事が起きたときは毎回一緒に起きる」ことを「ごと」と表現します。
「物事が起きたときその都度」「複数ある物事の全てにおいて」を表すのが「ごと」であり、例外なく毎回そうであり必ずついて回る様子を表します。
抜けがあったりバラバラだったりすることはなくルールとして必ず毎回一緒に起きるのが「ごと」です。
本来の意味である「~とともに」の意味からもわかるように「基準となる物事共に起きること」に対して「ごと」という表現を用います。
「おき」とは?
「おき」とは、「一定の周期で定期的に起きることにおける間隔」を意味する言葉です。
ある物事が起きてから次の物事が発生するとき、ふたつの物事の間には時間や距離など一定の間隔が生まれますが「定期的な間隔を空けて物事が起きるときに設けられる間隔」を指して「おき」と表現します。
「おき」は時間や距離など量をあらわす言葉の後ろについて設ける間隔の量を表現する言葉ですがふたつの意味で使われています。
ひとつは「10分おき」のようにその間隔をおいて対象となる物事が周期的に起きるという意味、もう一つは「2年おき」のようにその物事が毎回ではなくそれだけの感覚を開けて起きるという意味です。
どちらも表している意味合いに大きな違いはありませんがカウントの基準が異なります。
「ごと」と「おき」の違い
「ごと」と「おき」の違いは「周期の表現」です。
どちらも周期的に発生する物事に対して使われる表現ですが「ごと」発生する物事を基準にしているのに対し、「おき」は発生する物事の間に置かれている間隔に焦点が当てられています。
時間や距離などをものさしに例えると軸上の点を表現しているのが「ごと」、間の目盛りを表現しているのが「おき」という違いで区別されます。
特に月や年など長い単位で用いる場合は意味が大きく変わり「1年ごと」の場合は毎年という意味になりますが「1年おき」という場合は一年間を空ける、つまり2年に1回を表します。
「ごと」の例文
・『バスは10分ごとには発射している』
・『幹線道路には10キロごとに休憩所が設けられている』
・『1000円買うごとに福引券が一枚もらえる』
・『1万キロ走行するごとに点検を受けている』
「おき」の例文
・『1つおきに印をつけていく』
・『オリンピックは4年おきに開催されている』
・『この薬は8時間おきに飲むよう指示されている』
・『2年おきに転勤するのが職場のルールである』
まとめ
「ごと」と「おき」は意味が重複することがあるため混同されがちですが長い単位になると意味が異なるため注意が必要な表現です。
毎回なのかそれとも間隔をおくのか、言葉の意味を正確に覚えてトラブルを防ぎましょう。