この記事では、「立て板に水」と「焼け石に水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「立て板に水」とは?
滞ることなく、すらすらと話すことのたとえです。
「立て」とは立ててあることです。
縦に位置する形にすることをいいます。
たとえば、まな板の場合だと、使うときのように作業台に寝かせた状態のことではなく、使っていないときの縦に長い状態にしたときが、立ててある状態です。
立ててある板に水を流すと、すらすらと流れていきます。
これが横にしてあったら、すらすらとは流れないでしょう。
水がすらすらと流れるように、滞ることなくすらすら話すさまを、この言葉はたとえています。
包丁を紹介することになったとします。
この商品には、よく切れる、さびない、トマトを切っても皮がつながらない、パンを潰さずに切れるなどの特徴があります。
これらの特徴を、どこかでつっかえることなく、すらすらと口から出すことができる状態、これがこの言葉が意味するものです。
「えーっと、何だったっけ」となっていたら、この言葉が指すものではありません。
「立て板に水」の使い方
どこかでつかえることがなく、すらすらと話す様子を指して使用をします。
話の内容がよいものでも、悪いものでも使えます。
話の内容ではなく、話すさまを指す言葉です。
「焼け石に水」とは?
努力や助けが少なくて、ほとんど役に立たないことのたとえです。
焼けている石に水をかけてもすぐに蒸発してしまい、石の温度を下げることはできません。
このことからの言葉です。
体重を落としたい人のことで説明をします。
この人は今100kgの体重があり、50kを目指しています。
少しでも体重を落としたいと思っているのですが、食べることが好きで食べてしまいます。
そのため、思うような結果がでません。
それでも少しは努力をしています。
たとえば、いつもだったらご飯5杯食べているところを、今日はご飯4杯と半分にしました。
半分だけ減らしたのです。
しかし、体重100kgから50kgに減らすために、ご飯をたったお茶碗半分減らしただけでは、とうてい役に立ちません。
努力が少なく役に立たないこのさまを、この言葉でたとえることができます。
「焼け石に水」の使い方
努力や助けが少なくて、ほとんど役に立たないことをたとえて使用します。
「立て板に水」と「焼け石に水」の違い
前者は話し方についてのたとえで、後者は役に立たないことのたとえです。
「水」という語が登場しますが、意味は異なります。
「立て板に水」の例文
・『立て板に水のごとく説明する』
・『立て板に水の楽しいおしゃべり』
・『立て板に水のように話す』
「焼け石に水」の例文
・『5000円の給付では焼け石に水だろう』
・『今さら取り消しても焼け石に水だ』
・『何とか1点を得ても焼け石に水』
まとめ
2つの言葉はたとえです。
一方はすらすらと話すさまを、もう一方は役に立たないことをたとえています。
水という語がつきますが意味は違います。