この記事では、「頂きます」と「頂きたく存じます」の違いを分かりやすく説明していきます。
敬語を正しく学びましょう。
「頂きます」とは?
「頂きます」とは、相手から何かを施してもらうこと。
へりくだった、丁寧な気持ちをあらわします。
そもそも「頂きます」は「もらう」の謙譲語としての役目があります。
そのため偉い人を敬い、自分自身を下げる意味合いがふくまれています。
例えば仕事関係者の方から、差し入れを頂戴したとき。
「ありがとうございます。
美味しく頂きます」と喜びを表現します。
また有給休暇を取得するとき、社内の方に「明日からお休み頂きます。
よろしくお願いします」と断りを入れます。
お菓子や休暇を「もらうこと」が「頂きます」です。
ちなみに最近よく聞く「させて頂きます」は、相手の許可があって自分の得になるパターンで用います。
人によっては煩わしいと思われる言い方なので、場をわきまえて使うことが肝心です。
「頂きたく存じます」とは?
「頂きたく存じます」とは、相手に何かをお願いすること。
深くお辞儀をしながら、丁寧にお願いをする言葉です。
もともと「頂きたく存じます」には「頂きます」と「存じます」という、異なる敬語がはいっています。
二重敬語ではないかと間違えられることもありますが、敬語としては正しい表現です。
謙譲語のため、お願いするこちら側を引き下げる働きがあります。
例えばルールを守って欲しい場合は「ご理解頂きたく存じます」と使います。
そして提案した内容をのみ込んで欲しいときは「ご検討頂きたく存じます」を当てはめます。
こちらの希望を粛々と伝える、とても便利なフレーズです。
「頂きます」と「頂きたく存じます」の違い
「頂きます」と「頂きたく存じます」の違いを、分かりやすく解説します。
・頂戴する「頂きます」お願いする「頂きたく存じます」
「頂きます」と「頂きたく存じます」はどちらも「頂く」という語句がはいっています。
そのため混乱しやすい言い回しです。
改めておさらいすると「頂きます」は「もらう」の謙譲語にあたります。
励ましのメッセージをかけてもらった場合や、お土産など物品をいただいたシーンで用います。
相手から拝受すること、頂戴することが「頂きます」です。
そして「頂きたく存じます」は、目上の方にへりくだってお願いするシーンで使います。
「お願いします」のより改まった形式が「頂きたく存じます」になります。
例えば連絡が欲しい場合は「ご連絡頂きたく存じます」、協力して欲しいときは「ご協力頂きたく存じます」といいます。
失礼のないようにお願いするのが「頂きたく存じます」、相手から頂戴することが「頂きます」です。
まとめ
「頂きます」と「頂きたく存じます」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「頂きます」は「もらう」の謙譲語です。
そして「頂きたく存じます」は相手の顔を立てながら、丁重にお願いするシーンで使います。
印象のよいひと言を学んでおきましょう。