この記事では、「親しい」と「懇意」の違いを分かりやすく説明していきます。
「親しい」とは?
「親しい」には3つの意味があります。
1つめは、お互いに警戒心がなく仲がよいことです。
友人としての関係を指しており、家族や夫婦の間のことではありません。
大学生のころから友人がいたとします。
社会人になってからも、この人とは連絡を取り合い、ときどき一緒に食事をしたり、遊んだりしています。
このさまは、仲がよいといえるでしょう。
このような人と人との間柄をいいます。
2つめは血筋が近いです。
血のつながり、血縁が近いという意味になります。
3つめは、普段から接していてなじみ深いです。
小さなころから、ある絵本の物語に触れていて、よく知っていたとします。
この物語は「親しい物語」といいます。
「親しい」の使い方
人と人との間柄がよいという意味で使用をします。
友人との間柄についていい、家族や夫婦の間柄についてはいいません。
「懇意」とは?
「懇意」には2つの意味があります。
ひとつは、お互いに警戒心がなく、仲がよいものとしてつきあうことです。
仲がよいという状態で「つきあう」という意味まで含まれています。
知り合いとしてのかかわりを指しており、家族や夫婦のかかわりのことではありません。
たとえば、旅行をして、たまたま入った食堂の店主がかわいがってくれたとします。
それがきっかけで、店主と手紙のやりとりをしたり、その土地に出かけたときには店に立ちよったりするようになりました。
店主と客は仲がよいものとしてつきあっています。
互いの間柄が良好で、そのようにつきあうことを指します。
もう一つの意味は、親切な心です。
相手の身になって考えることができる心をいいます。
「懇意」の使い方
仲がよいものとしてつきあうという意味で使用をします。
知り合いとして仲よくつきあうことをいい、家族や夫婦の関係には使用しません。
また、人と人とのつきあいだけでなく、個人と団体のつきあいもいいます。
「親しい」と「懇意」の違い
仲がよいという意味を含む点が似ていますが、2つの言葉は同じことではありません。
前者は仲がよい間柄のことで、つきあうというい意味までは含みません。
形容詞で「親しい○○」のような使い方がされます。
後者はつきあうという意味まで含みます。
品詞は名詞、形容動詞です。
「親しい」の例文
・『親しい友人』
・『親しい人たちで集まる』
・『親しいスタッフからの電話』
・『親しい人からの贈り物』
「懇意」の例文
・『長年懇意にしてもらっている』
・『懇意にしている後輩』
・『関係者が懇意にしてくれている』
・『懇意にしていた担当者』
まとめ
仲がよいという意味が似ていますが、一方は間柄のこと、もう一方は仲よくつき合うことで、やや意味が異なります。
また、品詞にも違いがあり、一方は形容詞、もう一方は名詞、形容動詞です。
そのため、使い方も違います。