「ブローカー」と「ディーラー」の違いとは?分かりやすく解釈

「ブローカー」と「ディーラー」の違い専門用語・業界用語

取引する人を指す言葉として「ブローカー」「ディーラー」があります。

このふたつの言葉はどのような違いで区別されているのでしょうか。

今回は、「ブローカー」「ディーラー」の違いについて解説します。

「ブローカー」とは?

「ブローカー」とは、「商品やサービスの生産者と購入者を仲介する仲介業者」を意味する言葉です。


「ブローカー」の使い方

商品の流通において供給元にあたる生産者と需要を生み出す消費者が直接取引することはほとんどありません。

物理的な距離や保管などさまざまな理由がありますが、多くの商品は生産者から購入して消費者に販売までに中間業者を通じて流通が行われます。

中間業者のうち消費者に直接販売する小売店を除く仲介御者を指す言葉が「ブローカー」です。

「ブローカー」は生産者や卸から商品を仕入れて小売店に販売します。

業者から業者へと販売するビジネスなので消費者向けの一般小売は行いません。

「ブローカー」は仲介業者を指す言葉なので自ら商品を生産することはなく仲立ちをすることで利益を得ています。

より良い商品を探したり品薄の商品を注文に応じて確保したりなどが「ブローカー」の主な役割です。

金融取引の世界では投資家の間を取り持つ職業のことを「ブローカー」と呼んでいます。

外貨を売りたい人と買いたい人を仲介する外国為替市場の運営者は「ブローカー」にあたります。


「ディーラー」とは?

「ディーラー」とは、「商品を自ら仕入れて販売する販売者」を意味する言葉です。

「ディーラー」の使い方

自らの判断で生産者や卸業者から商品を仕入れて消費者向けに小売する業者のことを「ディーラー」といいます。

本来の定義ではすべての小売店が当てはまりますが、一般的に「ディーラー」という言葉は「メーカー系列で販売を担っている業者」を指す言葉です。

メーカー系列の「ディーラー」は契約を結んでいるメーカーの商品しか取り扱いません。

他のメーカーの商品を販売しないかわりに仕入れや価格面で優遇されているため強い販売力を有しています。

金融取引の世界では自らリスクを取りながら投資する人のことを「ディーラー」と呼んでいます。

広義ではすべての投資家が「ディーラー」に含まれますが、一般的には銀行や保険会社などいわゆる機関投資家と呼ばれる存在のうち直接的に投資判断を行い取引する人を指す表現として使われている言葉です。

「ブローカー」と「ディーラー」の違い

「ブローカー」「ディーラー」の違いは「利益源」です。

「ブローカー」は取引を希望するもの同士の仲立ちをする中間業者で手数料や依頼料が主な利益源です。

「ディーラー」は自らの判断で商品を仕入れて販売することで得られる差益や利ざやを主な収益源としています。

在庫リスクをとらないのが「ブローカー」、在庫リスクを伴うのが「ディーラー」という違いで区別されます。

「ブローカー」の例文

・『ブローカーに依頼して商品を手配してもらう』
・『急な注文だったがブローカーの活躍により無事に商品を仕入れられた』

「ディーラー」の例文

・『ディーラーで新車を注文する』
・『世界各国のディーラーで同じ品質のサービスが提供されている』

まとめ

「ブローカー」「ディーラー」は業務内容が似ていることから混同されがちですが本来はビジネスモデルの異なる別の職業です。

同じような役割でも業界によって名称が変わることもあるので注意してください。