この記事では、「世捨て人」と「隠者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「世捨て人」とは?
世捨て人とは、よすてびとという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、世俗から離れて暮らすといった意味の世捨ての文字に、ひとやにんげんといった意味がある人の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
以上の事から世捨て人は、俗世間との関係を断ち切った人を表すのです。
「世捨て人」の言葉の使い方
世捨て人は、一般の人が暮らす社会との関係を断ち切った生きた方をしている人に対して使われる言葉となっています。
主に人里離れた山奥で、自給自足で1人で暮らしている人に対して使用される事が多い言葉です。
要は人と人との繋がりが重要な社会生活を捨て、自力で独自の生活を営んでいる人を表現します。
「隠者」とは?
隠者とは、いんじゃという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、世事を離れるや世間からかくれるといった意味を持っている隠の漢字に、ひとや行動の主体といった意味を有する者の漢字を加える事で成立した言葉となっています。
だからこそ隠者は、俗世との関わりを避けつつ、ひっそりと隠れ住む人を示すのです。
「隠者」の言葉の使い方
隠者は、人との関わりを避けながら隠れ住む人といった意味に用いられる言葉となっています。
ただしただ人目を避けて隠れ住むというだけでなく、宗教的な修行を行うためや思索等に耽るといった目的意識を持ってその様な暮らしを営む人に対し、この隠者という言葉が使用される事が多いです。
お陰で仏教やキリスト教等の宗教者が、真理を見出したり目覚める目的で隠者となって、修行を行うといったケースが多くあります。
この様に隠者はただ隠れ住むのではなく、明確な目的意識があって俗世を離れる人という意味が込められていたりするのです。
「世捨て人」と「隠者」の違い
世捨て人と隠者の文字表記を並べて見比べても、共通する文字もなく文字数も違っている言葉同士となっています。
ですがどちらも、世俗を離れて暮らす人、といった同じ様な意味合いを持っているため、混同してしまう恐れがある言葉同士です。
とはいえ使用されている文字の違いから、表現する意味には違いもあります。
まず世捨て人は、俗世間との関わりを捨てて人里離れた場所で自給自足の生活を送る人の総称として使用される言葉です。
なので世俗を捨てた暮らしをする人を、広義に捉えた言葉と言えます。
一方の隠者は、主に宗教的な目覚めといった目的意識を持ちながら、俗世との関わりを捨てて隠れ住む人に対して用いられる言葉です。
まとめ
2つの言葉はどちらも、世間を離れて暮らす人、といった似た意味を持つ言葉となっています。
所が用いられている文字には明確な違いがあるため、示す意味にも相違点を見出す事が可能です。
ちなみに世捨て人は、俗世間との関わりを断ち切った暮らしをしている人の総称として使われる言葉となっています。
対する隠者は、世俗を離れて自給自足の生活を送りながら、真理への目覚めや探求といった目的意識を持っている人を表現する言葉です。