この記事では、「本心」と「本音」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「本心」と「本音」の違い
「本心」と「本音」は、どちらも「本当の気持ち」を意味することは間違いありません。
しかし、「本」の後につく言葉が「心」と「音」となり、この漢字の意味からも「本心」と「本音」の違いがわかってきます。
「心」が付く「本心」は、言葉として出す前の本当の気持ちを指し、心の中で思っている本当のことを意味する言葉となります。
一方、「音」が付く「本音」は、言葉として出した後の本当の気持ちを指し、本当に言いたいこと、本当に言ったことを意味する言葉となります。
また、人として、大人として、といったような建前を取り除く前の本当の気持ちが「本心」となり、そんな「本心」に、人として、大人として、といったような建前を取り除いた後の本当の気持ちが「本音」となります。
このような違いがある「本心」と「本音」について、以下ではより詳しくお話しさせて頂きます。
「本心」と「本音」の使い方の違い
「本心」自体には、いくつかの意味があり、その意味に合わせた使い方が必要ですが、「本音」の場合は、基本的に「言葉として出す本当の気持ち」といった使い方のみとなります。
まずは、この点に使い方の違いがあります。
「本心」には、心に秘めた本当の気持ち、真実といった意味として用いる使い方、以前から持ち続けている良心といった意味として用いる使い方、正気といった意味として用いる使い方の3つがあります。
それぞれ、必要に応じた使い分けが必要となり、「本音」は、人に本当の気持ちを話すといった際に主に使う言葉となります。
「本心」と「本音」の英語表記の違い
「本心」は英語では、real intentionと表記します。
そのほか、同じ「本心」でも、正気はone’s right mind; one’s senses、良心はone’s conscienceとなります。
「本心を失う」は、lose one’s mindやgo out of one’s senses 「本心を明かす」は、reveal one’s real intentionsや【形式ばった表現】 unbosom oneself と表します。
「本音」は英語では、real intention; true meaningと表記します。
そのほか、one’s real intentionやone’s real [【形式ばった表現】 underlying] motiveといった表記もあります。
「本音を吐く」は、give oneself awayや【形式ばった表現】 confess one’s real intention 「本音と建前」は、Real intention and stated reason (superficial)と表記します。
「本心」の意味
「本心」には以下のような4つの意味があります。
1つ目は本当の気持ち。
2つ目は良心、本来あるべき正しい心。
3つ目は確かな心。
そして、4つ目は本来の性質です。
「本音」との違いで迷う意味としては、1つ目の本当の気持ちを意味する「本心」となります。
うわべや建前など一切関係なく、本当の自分の気持ちを意味する「本心」。
そのため、言葉として出すことはなく、その結果、うわべや建前など一切気にしていない本当の気持ちとなります。
また、「本心」には、「本当の正しい心」という意味もあるため、心に秘めた前向きでポジティブな気持ちといった意味も込められています。
「本心」の使い方
「本心」の使い方としては、本当の気持ちを伝える使い方として、「本心を打ち明ける」。
良心といった意味として使う場合は「本心に返る」、「本心を持ち続ける」。
正気といった意味として使う場合は「本心を失う」などとなります。
そのほかにも、「本心を訴える」、「本心を出す」、「本心を見せない」などがあります。
「本心」を使った例文
・『一度、彼女の本心を探ってみたいと思っている。』
・『その場の流れで本心ではなく、彼に告白してしまった。』
・『勇気を持って、進路について両親に本心を打ち明けたいと思っています。』
・『友達に本心を打と開けられ、動揺している自分がいる。』
「本心」の類語
「本心」の類語は、正しい行為、気持といった意味を持つ、「善心」や「良心」となります。
「本心」の対義語
「本心」の対義語には、明確なものはありません。
「本音」の意味
「本音」には、以下のような2つの意味があります。
1つ目は本当の音色。
2つ目は本心から出た言葉、本当に言いたい気持ちです。
「本心」の意味と比較する場合は、2つ目の本心から出た言葉、本当に言いたい気持ちを意味する「本音」となります。
「本音」は「本心」と異なり、言葉として出した本当の気持ちを意味します。
そのため、どうしても、本当の気持ちにうわべや建前が付きまとってしまいます。
また、「本音」には、言葉として気持ちを出すため、そのために隠されたネガティブな気持ちが隠れていることも少なくありません。
「本音」の使い方
「本音」の使い方としては、心にある本当の気持ちを言葉として出すといった意味として、「本音を漏らす」、「本音を吐く」、「本音を言えば」、「人の本音」、「本音を隠す」、「本音を聞く」などがあります。
「本音」を使った例文
・『私は他人に本音を話すことが苦手です。』
・『本音を吐けば、「こんな生活はもう嫌です」』
・『たいていの大人は、本音を隠して暮らしているのではないでしょうか。』
・『先生の前で、「もう無理です」と本音を漏らしてしまった。』
「本音」の類語
心の中で思っているといった意味としての「本音」の類語は、「考え」や「心づもり」など。
心に持っている悪い気持ち、たくらみといった意味としての「本音」の類語は、「思惑」や「魂胆」などとなります。
「本音」の対義語
「本音」の対義語は、心に思っていることとは別に表向きの気持ちを話す意味と持つ「建前」となります。
まとめ
以上が、「本心」と「本音」の違いです。
心に思っている本当の気持ちは同じでも、それを口に出して伝えるか、伝えないかといった違いがある「本心」と「本音」です。