トラブルへの対処法として「リカバリー」と「初期化」がありますが、このふたつの方法は具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「リカバリー」と「初期化」の違いについて解説します。
「リカバリー」とは?
「リカバリー」とは、「トラブルが発生する前の状態に戻し復旧すること」を意味する言葉です。
「リカバリー」の使い方
トラブルや不具合が発生したときに対処として「不調をきたす前の状態に戻すこと」を「リカバリー」といいます。
バックアップデータを利用したり直前にしていた捜査をキャンセルしたりなど方法はいろいろですが「以前の状態にさかのぼってもとに戻すこと」が「リカバリー」です。
「リカバリー」で取り戻される元の状態はケースによって異なります。
作業の直前にバックアップを取っておいた場合は作業する直前に戻せますが、バックアップデータを保存したのが3日前であれば「リカバリー」で元通りに戻せるのは3日前の状態です。
「リカバリー」はコンピュータトラブルでよく用いられる表現ですがそれ以外のケースでも使われる一般的な言葉です。
休んでいた間にたまった仕事を片付けて後れを取り戻すことやゴルフでミスショットをしてしまい林に打ち込んだボールを理想的な場所に打ち出してミスを帳消しにすることなど「失敗で生じた損失を埋め何事もなかった状態に近づけること」を「リカバリー」と表現します。
「初期化」とは?
「初期化」とは、「最初の状態に戻すこと」を意味する言葉です。
「初期化」の使い方
「これまでに蓄えてきた経験や蓄積してきたデータをすべて消去して初期のまっさらな状態にすること」を指して「初期化」と表現します。
さかのぼれる限り最も前の状態似まで戻ってやり直すのが「初期化」であり、一般的には「コンピュータにインストールされたプログラムや保存されたデータを放棄して使いはじめの状態にすること」を指します。
「初期化」が実行されるとこれまでの利用で加えられてきた変化や変更が全て無効になります。
保存したデータやインストールしたプログラムなども全てなくなり購入時の状態に戻ります。
追加したデータやプログラムを原因とするトラブルであれば「初期化」により正常に動作する状態に戻りますが、バックアップを取っていないデータやプログラムなどは全て失われてしまうので注意が必要です。
「リカバリー」と「初期化」の違い
「リカバリー」と「初期化」はどちらもトラブルが発生する前の状態に戻すことをあらわす言葉です。
ふたつの違いは「リカバリー」がトラブルが起きる前で正常に動作していた時点のうちできるだけ現在に近い時点に戻すのに対し、「初期化」は最初の時点に戻すことを意味します。
初期状態から一度もバックアップなど復旧に備えた準備をしておらず戻せるポイントが用意されていない場合だと「リカバリー」で戻せるのは一番前の初期状態になるので「初期化」が同じ意味になります。
「リカバリー」の例文
・『動かなくなったパソコンをリカバリーする』
・『バックアップを保存しておいたのでリカバリーでもデータは失われなかった』
「初期化」の例文
・『不調のスマホを初期化したら動作が軽くなった』
・『パソコンが初期化されてしまいデータが全て失われた』
まとめ
「リカバリー」と「初期化」はどちらもパソコントラブルの基本的な対処法ですが結果に大きな違いがあります。
動くようになればいいのか、それとも保存したデータのサルベージが重要なのか復旧にあたり何を重視するのかを考えて方法を選んでください。