この記事では、「負いかねる」と「負いかねない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「負いかねる」と「負いかねない」の違い
「負いかねる」と「負いかねない」の違いについて紹介します。
「負いかねる」と「負いかねない」の使い方の違い
「負いかねる」は、「こちらは負担しません」という意味で使われます。
何かあった場合でも、全てそちらで何とかして下さいと言っています。
「負いかねない」は、「こちらで負担するかも知れない」という意味で使われます。
何かあった場合には、こちらで何とかしなければならなくなるかも知れないと言っています。
「負いかねる」と「負いかねない」の英語表記の違い
「負いかねる」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「not respnsible」で、「責任がない」という意味です。
“We are not responsible for any trouble that may occur.” (どの様なトラブルが起きても責任を負いかねます) 2つ目は「shall bear no responsibility」で、「責任を負わない」という意味です。
“Our company shall bear no responsibility in any trouble that may occur.” (我社はどの様なトラブルが起きても責任を負いかねます) 「負いかねない」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「assume responsibility」で、「当然の責任とする」という意味です。
“I assume resposibility for if a problem occurs.” (もし問題が発生したら責任を負いかねない) 2つ目は「take responsibility」で、「責任を取る」という意味です。
“We take responsibility if any problem occurs.”
(何か問題が発生したら我社が責任を負いかねない)
「負いかねる」の意味
「負いかねる」は、「おいかねる」と読みます。
意味は「負わない・負いません」で、負うことを拒否している言葉です。
「負う」は、「負担になることを引き受ける・こうむる」という意味です。
「かねる」は漢字で「兼ねる」と書き、日常では「2つ以上のものを併せ持つ」という意味ですが、動詞の連用形に付いた場合歯「しようとしてもできない」「~することがむずかしい」という意味になります。
「負いかねる」で、「負担になることを引き受けられない」という意味になるのです。
「負いかねる」の使い方
「負いかねる」は、「負担になることを引き受けられない」という意味で使われます。
基本的に「責任を負いかねる」として使われることがほとんどです。
「責任を負わない」とストレートに言うと角が立つので、ビジネスでは「責任を取りたくても取れません」と遠まわしに表現する時に使われています。
「負いかねる」を使った例文
・『間違った使い方により事故が発生して責任を負いかねます』
・『問題が発生しても一切の責任を負いかねる』
・『万一記載に誤りがあっても運営側は一切責任を負いかねる』
・『無理に登山した場合、遭難しても一切責任は負いかねる』
・『飲み会に行ってコロナにかかっても責任を負いかねる』
「負いかねる」の類語
・「無関係です(むかんけいです)」
「自分とは全くつながりがない」という意味です。
・「自己責任です(じこせきんです)」
「全て自分で後始末をつけて下さい」という意味です。
「負いかねる」の対義語
「負いかねる」の対義語は「負いかねない」です。
「負いかねない」の意味
「負いかねない」は、「おいかねない」と読みます。
意味は「負うかも知れない」「負いそうだ」で、引き受ける可能性があることを言います。
「兼ねる」は、動詞の連用形に付いて「したくてもできない」という意味ですが、「兼ねない」になると「したくなくてもしなければならないかも知れない」という意味になるのです。
「負いかねない」の使い方
「負いかねない」は「引き受けたくなくても引き受けなければならないかも知れない」という意味で使われます。
こちらも「責任を負いかねない」として使われることが多くなります。
「負いかねない」は、可能性を表わす言葉であり、絶対に引き受けなければならない訳ではなく、回避できるかも知れないという意味も含まれています。
「負いかねない」を使った例文
・『きちんと説明しないと、万が一の時にこちらが責任を負いかねない』
・『この状況では運転していた側が責任を負いかねない』
・『不具合があるのを知って販売した側が責任を負いかねない』
・『自分一人が責任を負いかねないのは納得がいかず退職した』
・『こんな商品を販売していたのでは、業者が責任を負いかねない』
「負いかねない」の類語
・「こちらのせいになる」
「悪いことの責任を自分に求められること」という意味です。
・「こちらが悪いことになる」
「自分の方が不適切であると判断されること」という意味です。
「負いかねない」の対義語
「負いかねない」の対義語は「負いかねる」です。
まとめ
今回は「負いかねる」と「負いかねない」について紹介しました。
「負いかねる」は「引き受けられない」、「負いかねない」は「引き受けたくなくても引き受けなければならなかも知れない」と覚えておきましょう。