混同されやすい表現「うってかわって」と「とってかわって」は具体的にどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「うってかわって」と「とってかわって」の違いについて解説します。
「うってかわって」とは?
「うってかわって」とは、「それまでの内容や話題からガラリと変わること」を意味する言葉です。
「うってかわって」の使い方
「うってかわって」という表現は話や物事の途中でそれまでの流れを引き継がず全く新しい状態に代わる時に用いられる言葉です。
「うってかわって」を感じで表記すると「打って変わって」となります。
語源は諸説ありますが「強くあたることでこれまでの流れが大きく変わる」に由来する説と「同じ太鼓でも叩き方によって音色がまったく変わる」に由来するという説が有力です。
「うってかわって」という言葉の後にはこれまでの内容とはまったく無関係の内容が登場します。
少しでもないように関連性がある場合は「うってかわって」という表現を用いません。
「前の痕跡を残したり引きずったりせずに新しく変わること」を指して「うってかわって」と表現します。
「とってかわって」とは?
「とってかわって」とは、「もともといた人やあった物を排除し同じ地位や役割に入り込むこと」を意味する言葉です。
「とってかわって」の使い方
「とってかわって」を感じで表記する「取って代わって」となります。
「とってかわって」とは簡単にいえば「取り代える」あるいは「入れ代える」様子をあらわす言葉です。
「前のものが退いたあとに新しいものが同じ役目を引き継ぐ」のが「とってかわって」の表す内容です。
「とってかわって」には円満に入れ替わったのではなく力ずくでその地位を奪ったり競争で勝利を収めて役割を代わったりなど「実力や能力を示して地位や役割を奪うこと」という意味合いがあります。
話し合いにより権力が移譲されたり代替わりして資産継いだりした場合には「とってかわって」という表現を用いません。
「うってかわって」と「とってかわって」の違い
どちらも前の状態から新しくかわることを意味する言葉ですが「うってかわって」が以前の状況を一切引き継がず全く新しくなることを意味する状態の変化を表す言葉であるのに対し、「とってかわって」はもともといた人やあったものが排除されて新しい状態に変わる状況の変化を表しています。
対象物そのものの変化を表すのが「うってかわって」、対象物が排除されて別のものに変更されるのが「とってかわって」という違いで区別されます。
「うってかわって」の例文
・『昨晩の雨から打って変わって朝から青空が広がっている』
・『普段の物静かな様子からはうってかわって激しいダンスを披露している』
「とってかわって」の例文
・『ガラケーにとってかわってスマートフォンが普及したのは2015年頃である』
・『背脂系ラーメンにとってかわって魚介しょうゆ系ラーメンが人気を集めている』
まとめ
「うってかわって」と「とってかわって」は似たような言葉ですが意味は全く違います。
同じ変化をあらわす言葉で混同しやすいので正しい意味を覚えて間違いのないように使い分けましょう。