この記事では、「余談」と「蛇足」の違いを分かりやすく説明していきます。
「余談」とは?
伝えるべき事柄以外の話、本来の筋道から外れた話という意味です。
たとえば、野菜スープの作り方やその効果についての話をしていたとします。
どんな野菜をどれくらい使うのか、どれくらい煮込むのかなどの作り方、この野菜にはこういった成分が含まれていて、こういった働きをするといった効果が、この話の伝えるべき事柄です。
それ以外の事柄の話しが「余談」になります。
たとえば、野菜スープの話を医者がしたとします。
この医者は胃がんを専門に診ています。
スープの話をしていたときに、そこから離れて胃がんの話もしました。
本来伝えるべき事柄は野菜スープの作り方と効果なので、胃がんの話は本筋から離れた話で、この言葉が意味するものになります。
「余談」の使い方
前置きとして使われることが多いです。
ある話をしているときに、本筋から離れた話をしますよという意味で使われます。
話し言葉としてよりも、文章で使われることが多くあります。
「蛇足」とは?
さらに別のものを添える必要のないもの、つけ加える必要のないものという意味です。
中国の「戦国策」斉策上の故事がもとになっている言葉です。
昔、中国の楚の国で蛇を描く競争を行い、先に書き終わったものが蛇に足を書いてしまい、負けたという話からの言葉です。
蛇には足はありません。
ないものを描いててしまったのです。
たとえば、ある服を使ったコーディネートを雑誌でいくつか紹介したとします。
こういったコーディネートができますよと、読者に対していろいろと伝えることが目的です。
ついでに、この記事を書いた人の普段の服装も記事に載せたとします。
ある服を使ったコーディネートを伝えることが目的なので、記者の服装は必要のないものです。
こういった必要のないもののことを意味する言葉になります。
「蛇足」の使い方
これはなくてもいいのですが、といった意味で前置きするときに使われます。
話し言葉よりも文章で使われることが多いです。
「余談」と「蛇足」の違い
前者は本筋から離れているという意味で、後者は必要のないという意味を持っています。
本来伝えたいことから離れているという部分では意味が似ていますが、ニュアンスが異なります。
使い方は似たようなもので、どちらも「これから違うことを話します」といった前置きをするときに使われます。
文章で使われることが多いです。
「余談」の例文
・『これは余談になります』
・『余談が尽きない』
・『余談はさておき』
・『余談に入る』
「蛇足」の例文
・『蛇足ですが』
・『蛇足ながら説明すると』
・『蛇足な部分がある』
・『蛇足を加える』
まとめ
本来伝えたいこととは別のことといった意味が似ている2つの言葉ですが、一方は本来伝えるべき事柄と離れた話、もう一方は必要のないものという意味で、ニュアンスが異なります。