厳格で容赦がない人はよくいます。
そのような人のことを「手厳しい」と言いますか、それとも「厳しい」と言いますか。
この記事では、「手厳しい」と「厳しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「手厳しい」とは?
遠慮や気遣いなしに相手に対応する様子です。
手加減がない、容赦ないことを表します。
「厳しい」とは?
厳格で手心を加えないことです。
取り扱いに容赦がありません。
また、耐えがたいほど激しく激烈であること、人を寄せ付けないような印象を与え、柔和ではないこと、何かをするのが難しい状態であるときに使われます。
「手厳しい」と「厳しい」の違い
「手厳しい」と「厳しい」の違いを、分かりやすく解説します。
「手厳しい」と「厳しい」は、両方とも手加減せず、容赦がないことを意味します。
違いは、厳しさの程度と、「厳しい」は別の使い方もあることです。
「手厳しい」の手は接頭語となり、後ろの形容詞の意味を強めます。
そのため「手厳しい」の方が「厳しい」よりもさらに厳格であるときに使います。
また、「手厳しい」は人の態度のことでしか使いませんが、「厳しい」は不快な気候や険しい表情、難しいという状況で用いることがあります。
「手厳しい」の例文
「手厳しい」の例文を紹介していきます。
・『私は先生から手厳しい指導を受け、ここまで上達できました』
「手厳しい」指導を受けることは辛いですが、実力をつけられます。
「厳しい」でも使えますが、「手厳しい」の方がより厳しく聞こえるでしょう。
・『あなたは手厳しく彼を批判してくれてすっきりしました』
何度注意しても同じことを繰り返すなど、非常に厳しく言わないと伝わらない人もいます。
・『手厳しいことを言いますが、彼の態度はこの会社では通用しません』 「手厳しい」ことを言いますと、相手をできるだけ傷つけないように前置きできますが、言う内容によって、あまり効果はありません。
「厳しい」の例文
「厳しい」の例文を紹介していきます。
・『厳しい一面も、優しい一面もある私の父のような人になりたいと思います』
「手厳しい」も使えますが、優しい一面もあるなら、厳しさの程度が低くなる「厳しい」の方が合っているでしょう。
・『今日の外の暑さは非常に厳しいため熱中症に注意しましょう』
人の態度ではないため、「手厳しい」は使えません。
・『彼女の今の成績では、この大学に入学することは厳しいでしょう』
この「厳しい」は難しいという意味なため、「手厳しい」は使えません。
まとめ
「手厳しい」と「厳しい」は両方とも手心を加えず容赦がないという意味ですが、厳しさの程度や使い方が違います。
「手厳しい」の方が「厳しい」よりも厳しくなり、「厳しい」の方は多くの使い方があります。
「手厳しい」も「厳しい」もその時は嬉しくはなく、辛いことも多くなりますが、耐え抜いたり、素直に話を聞いたりすることによって、成功に繋がる可能性もあります。
相手が自分に対して愛情を持って「手厳しい」、「厳しい」ことを言っているのか、怒りをぶつけて痛めつけるために言っているのか、見極められるようにしましょう。