集団の中でも一際目立った人物がいる様を表す言葉には「紅一点」や「鶏群の一鶴」があります。
この記事では、「紅一点」と「鶏群の一鶴」の違いを分かりやすく説明していきます。
「紅一点」とは?
「紅一点」とは「こういってん」と読み、これは集団に中に一際目立った女性がいる時に使う言葉です。
この言葉は元々中国の詩に記述されたものであり、こちらは緑色の草の中に一際目立った赤い柘榴が咲いていたことを表したものとなっています。
本来は柘榴が赤くて目立つという意味だったのですが、現代においてはこの「紅一点」は集団内で1人だけいる女性のことを表す時に使う言葉となっており、男性に対して使うことはほとんどありません。
語源である集団内で目立った存在という意味では男性に対しても使うことが可能ですが、日本の場合だと集団内で目立った女性のことを意味するので誤解が生じる可能性があります。
「鶏群の一鶴」とは?
「鶏群の一鶴」とは「けいぐんのいっかく」と読み、こちらは集団内に抜きんでた才能の持ち主がいる時に使う言葉です。
この言葉も元々中国の書物に記述されたものが語源となっており、平凡な人物の中に?紹という有能な人物が混ざっているのを、鶏の集団内に鶴がいるようだと例えたことから生まれました。
鶏の中に姿や美しさが全く異なる鶴がいるのはそれだけでも目立ちますが、語源的な意味としては外見の違いだけではなく才能が際立っているという意味が強調されるのが特徴です。
このことから「鶏群の一鶴」は集団内でも才能が優秀で際立っている人物がいる時に使う言葉であり、褒め言葉として使われます。
類義語としては「掃き溜めに鶴」という言葉がありますが、こちらは比較する対象が掃き溜めと汚いものとなっているのが特徴です。
「紅一点」と「鶏群の一鶴」の違い
「紅一点」は集団内に1人だけ女性がいる時に使う言葉であり、外見的な違いに対して使うのが特徴です。
「鶏群の一鶴」は集団内に抜きんでて優秀な人物が存在する時に使う言葉であり、才能や能力など内的な違いに対して使う点が異なります。
「紅一点」の例文
・『そのゲームサークル内で紅一点だった女性は、どうもサークルクラッシャーらしく色々なトラブルを起こしたらしい』
・『水泳部の女性マネージャーは紅一点の存在であり、自分は憧れていました』
「鶏群の一鶴」の例文
・『そのゲーマーは鶏群の一鶴として活躍し、大会初参加にしてチャンピオンになった』
・『鶏群の一鶴と言われていた知事も、年々支持率が低下してきました』
まとめ
集団の中でも目立つ存在がいる時に使う言葉としては「紅一点」や「鶏群の一鶴」があります。
前者は女性と言う外見的な違いに対して使いますが、「鶏群の一鶴」は才能が優れている人物に対して使うので使い分けることが可能です。
「紅一点」の語源は女性に限らず目立つ存在に対しての表現だったのですが、現代日本ではほとんどの場合女性に対して使うので気を付けましょう。