この記事では、「打診」と「相談」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「打診」と「相談」の違い
「打診」には、2つの意味があります。
1つめは、医学用語で、医師が患者の背中・胸・腹などを手や器具で叩き、音で異常を感じ取る診察のことです。
もう一つは、相手がどうするのか確認するために、前もって様子をみることです。
「相談」とは、困っていることや悩んでいることなどを解決するために、話し合ったり、他人の意見を聞いたりすることです。
2つの言葉では、何の目的のために、どのようなことをするのか、意味が異なります。
「相談」の場合は、困っていることや悩んでいることなど、何らかの問題を抱えています。
そして、その問題を解決するためという目的があり、目的を果たすために、話し合いや意見を聞くという手段をとっています。
一方、医学用語ではない方の意味の「打診」の場合は、困っていることや悩んでいることがあるわけではありません。
「打診」する目的は、相手がどうするのか確認するためです。
その目的を果たすために、前もって様子をみます。
「打診」と「相談」の使い方の違い
医学用語の「打診」は医療現場で使用されています。
もう一つの意味では、相手の様子を知りたいときに使用されることがあります。
「相談」は日常的に使われる言葉で、悩んでいることや困っていることがある人が使うことが多いです。
「打診」と「相談」の英語表記の違い
「打診」は英語で、医学用語の意味では“percussion”や“tapping”と表現をします。
相手の考えをさぐる意味では、“sound out”や“put out feelers”と表現をします。
「相談」は英語で“consultation”と表現をします。
「打診」の意味
「打診」には、2つの意味があります。
1つめは医学用語で、医師が患者の背中・胸・腹などを手や器具でたたいて音を確かめる診察のことです。
もう一つの意味は、どうするつもりなのかという相手の考えを確認するために、前もってようすをみることです。
複数人のミュージシャンを集めて、ライブを開催しようと考えたとします。
参加するミュージシャンにはまだ正式に依頼をしておらず、これから依頼をするつもりです。
しかし、ミュージシャンが参加したいと考えているのか、都合がつくのかなどはわかりません。
相手がどう考えているのか聞いてみました。
このような行為が「打診」です。
正式にお願いをすることではなく、相手の反応をみることをいいます。
「打診」の使い方
医学用語の「打診」は医療現場で使用されている言葉で、日常では使われる機会は少ないです。
もう一つの意味では、ビジネスシーンで使われることが多くあります。
ビジネスでは、相手に依頼をすることが少なくありません。
その際に、相手がどう考えているのか伺うことがあるでしょう。
正式に依頼をしているのではなく、様子をみることに「打診」という言葉を使用します。
「打診」を使った例文
・『CMへの出演を打診された』
・『打診をしたら、よい答えが返ってきた』
・『雑誌への執筆のことで○○氏に打診をしてみる』
・『打診されたとき、どう返事をしたらいいのか悩んだ』
「打診」の類語
「意見を聞く」が類語です。
「打診」の対義語
対義語はありません。
「打診」は相手の様子を見ることで、相手のことを考慮に入れています。
強いて言えば、相手のことを考えていないという意味で、「無理やり」が対義語になるでしょう。
「相談」の意味
「相談」とは、困っていることや悩んでいることの解決のために、話をしたり、他人の意見を聞くことです。
何か困っていることがあり、自分一人で解決できないときには、誰かの意見を求めることが少なくありません。
このような行為が「相談」です。
「相談」には、必ず相手がいます。
一人でしゃべっていることは「相談」ではなく、「相談」は困り事や悩み事を聞いてくれる人がいます。
意見を聞く場合でも、意見をくれる相手が存在しています。
「相談」の使い方
問題解決のために、話し合ったり、他人の意見を聞いたりすることを指して使用します。
問題の当事者間で話し合うことも、当事者以外の人と話すことも指します。
たとえば、子育てに協力してくれない夫のことで悩んでいた妻がいたとします。
悩んでいることをママ友やカウンセラーなど、夫以外の人に話すことがありますが、これも「相談」といいます。
「相談」を使った例文
・『良き相談相手だ』
・『静かに話を聞いてくれて、相談しやすい人だ』
・『いつでも相談してください』
・『専門家に相談をしましょう』
「相談」の類語
「打ち合わせ」が類語です。
何かをする当事者同士で話し合うという意味があります。
「相談」の対義語
対義語はありません。
まとめ
「打診」は相手の様子をみるためのもの、「相談」は問題を解決するためのもので、意味が違います。