「試液」と「溶液」の違いとは?分かりやすく解釈

「試液」と「溶液」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「試液」「溶液」の違いを分かりやすく説明していきます。

「試液」とは?

試験に使うための液のことです。

ここでいう試験とは、数学のテストなどの試験ではなく、実験のことです。

この液は試験に用いるために調製されています。

試験は同じ条件で行わなければなりません。

試験では再現性が求められるので、誰がやっても同じようになるように、条件をそろえなければならないのです。

同じ条件にするために、液の濃度をきっちりと揃えるなどを行います。

たとえば、試験に塩化ナトリムが溶け込んだ水を使いたいと思ったとします。

「試液」は水の中に溶け込む塩化ナトリウムの濃度を整えて作ります。

何%の濃度にしたいのかを決め、その濃度になるように水と塩化ナトリウムの量をきっちり量ります。

たくさん溶けるからと、水の中にどんどんと塩化ナトリウムを入れてはいけません。

何%の濃度で作ると決めたら、その濃度にピッタリ合わせないといけないのです。

きっちりと量るために、メスシリンダーや電子天秤などを用います。

これらを使用すると正確に分量を測定できます。

しかし、道具の使い方が間違っていれば、きっちりと測定することはできません。

メスシリンダーは水平なところに置き、液体の表面と同じ高さに目線を合わせます。

置く場所が水平でないと、液体を目盛りにしっかりあわせることができず、目盛りを読むときに斜めからでは、ずれが生じてしまいます。

電子天秤も水平な場所に置いて使用をします。

直接薬剤などを置くのではなく、薬包紙という紙を電子天秤の上にのせ、その上に量りたい物質をのせます。

電源を入れたときには、ゼロになっていることを確認します。

ゼロになっていない場合には、リセットボタンを押してから物を量ります。


「試液」の使い方

試験に使用するために調製された液を指して使用する言葉です。


「溶液」とは?

2種類やそれ以上の物質が溶けて、成分などが一様になっている液体のことです。

溶かす液体は水とは限らず、エタノールや油などさまざまなものがあります。

また、溶かすものもさまざまです。

食塩水はこれにあたります。

食塩水は、水の中に食塩を溶かしたものです。

水の温度を上げると、水の量を変えなくとも溶ける食塩の量が多くなります。

また、水の量を多くすることでも溶ける食塩の量が多くなります。

「溶液」の使い方

あるものの中に別のものが溶け込んで、成分などが一様になっている液体を指して使用する言葉です。

「試液」と「溶液」の違い

前者は試験に用いるもので、適切に調製がされています。

後者は試験に用いるものとは限らず、2つ以上のものが溶けて成分などが一様になっている液体のことです。

液体という点では同じですが、何の目的のものなのか、どういった状態なのかといった点に違いがあります。

まとめ

液体のことですが、一方は試験に使うもの、もう一方は何かと何かが溶けているもので、それぞれ意味が異なります。