この記事では、「栄養を摂る」と「栄養を取る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「栄養を摂る」とは?
生体が成長や活動などに役立たせる物質を体の中に入れることです。
栄養には、生体が体の中に取り入れて、成長や活動などに役立たせること、またそれを含む物質という意味があります。
人間の場合、糖質や脂質などを口から体の中に入れて、体を動かすエネルギーとしています。
亜鉛、鉄、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群やビタミンCといったビタミンも体の中に入れており、これらは成長や体の維持などに使っています。
こういった物質を体の中に入れることを「栄養を摂る」といいます。
「摂る」には、必要なものとして体の中に入れるという意味があります。
ビタミンやミネラルを錠剤や粉末の形にした製品があり、こういったものを体の中に入れることは、この言葉が意味しているものになります。
しかし、普段からこういった製品を利用しているわけではありません。
基本的には、人間は食物から栄養を体の中に入れています。
ご飯、パン、野菜、果物、魚、肉、大豆などを口から摂取して、必要なものを体の中に入れているのです。
ビタミンなどの物質としての形がわかる状態ではなく、食物の形で体の中に入れることも、この言葉は意味しています。
「栄養を摂る」の使い方
体が必要なものを体の中に入れるという意味で使用をします。
食事をするといった意味ではなく、「栄養を体の中に入れる」ということに重きをおいた場合をいいます。
「栄養を取る」とは?
一般的には「栄養」とともに「取」の漢字の「とる」は使用しません。
「取る」には、物を手の中に入れる、他へ移す、自分のものにするなどの意味があります。
栄養を手の中に入れる、栄養を他に移す、栄養を自分のものにするでは意味がおかしいです。
ビタミン剤のような形になっている栄養を手に持つという意味なら理解できるかもしれません。
しかし、こういった場合は「手に取る」とするのが一般的です。
「朝食を取る」という使い方はします。
この場合、朝食を体の中に入れるといった意味合いよりも、朝食という時間をつくる、朝食を食べるといった意味になります。
「取る」には、そのことに時間を必要とするという意味もあります。
朝に何かを食べるためには時間が必要になります。
「栄養を取る」の使い方
「取」の漢字では使いません。
「栄養を摂る」と「栄養を取る」の違い
前者が正しい使い方です。
体の中に入れるという意味では前者の漢字を使用します。
「栄養を摂る」の例文
・『スーパーフードから栄養を摂る』
・『毎日食事をして栄養を摂る』
・『無理にでも栄養を摂る』
・『効率よく栄養を摂る』
「栄養を取る」の例文
・『バランスよく栄養を取る』
まとめ
「摂」も「取」も読み方は同じですが、栄養とセットで使う場合には「摂」の漢字を使用することが一般的です。