この記事では、「心肺停止」と「死亡」の違いを分かりやすく説明していきます。
命にまつわる語を学んでいきましょう。
「心肺停止」とは?
心肺停止(しんぱいていし)とは、肺と心臓が動いていないこと。
まったく意識のない状態をいいます。
胸に手をあてても心臓のドクドクという音がせず、呼吸している様子も感じられない、極めて危ない状態をいいます。
心肺停止になると全身はもとより、脳に流れていく血液もストップします。
そのため心肺停止と確認されたら早めに救急車を呼んで、救命措置をおこなうことが求められます。
ただ心肺停止になって10分程度の時間がかかると、一命を取り留めるのは難しいとされています。
救急車を呼んでから実際に救急隊員が到着するまでに7~8分くらいの時間がかかるため、まさに命と隣り合わせの危ない状態といえるのが心肺停止です。
「死亡」とは?
死亡(しぼう)とは、脈拍がない状態のこと。
心電図や瞳孔の様子を確認して、生きている兆候がないことを医師が改めて判断することです。
心臓や呼吸機能が止まっていて、なおかつ脳も動いていない状態を医学の世界では死亡といいます。
一般的には救急車で病院に運ばれて、ドクターが救命措置をおこない、最後に死亡確認をおこないます。
措置をおこなってもこれ以上の蘇生ができないもの、命が終わりを迎えてしまった状態が「死亡」です。
患者さんがお亡くなりになると、ドクターはご家族にその経緯と内容を説明します。
とても悲しく涙ぐましい瞬間です。
「心肺停止」と「死亡」の違い
どちらもニュースでよく耳にする言葉です。
「心肺停止」と「死亡」の違いを、分かりやすく解説します。
・病院で確認される「死亡」
大きな火災や事故が起こると、心肺停止や死亡などの言葉が飛び交います。
「焼け跡から5人が心肺停止の状態で発見され、病院に搬送されました」や「その後、死亡が確認されました」はニュースで伝えられるフレーズです。
日本のメディアでは、死亡確認がなされていない方を心肺停止。
病院に運ばれてドクターが死亡確認をおこなった方を、死亡と呼び分けています。
実際には心肺停止というと、発見された時点で心臓も肺もストップしている、とても危険な状態をいいます。
ただ素人の判断では、生きているのかお亡くなりになっているのか判断がつけられないため、心肺停止の言葉をつかって危険な状況を説明しているのです。
死亡も心肺停止も、どちらもとても痛ましい言葉になります。
まとめ
「心肺停止」と「死亡」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもニュースで耳にする言葉です。
心肺停止は、心臓と肺の機能がストップした、とても危険な状態をいいます。
そして死亡は医師が死亡確認をおこなったご遺体をあらわします。
専門知識がある方によって、死亡確認がなされた状態を死亡。
未確定の場合を、心肺停止と使い分けています。
どちらも涙ぐましい言葉です。