この記事では、「無理する」と「無茶する」の違いを分かりやすく説明していきます。
「無理する」と「無茶する」の違い
「無理する」と「無茶する」の違いについて紹介します。
「無理する」と「無茶する」の使い方の違い
「無理する」は、「困難な状況だが必死に頑張って何とかする様子」に使われます。
努力や忍耐、精神力でカバーしようとしている状態のことです。
「無茶する」は、「困難な状況で、度を超えたことをする様子」に使われます。
常識的に考えてしない様なことをすることを言います。
「無理する」と「無茶する」の英語表記の違い
「無理する」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「push oneself too hard」で、「自分自身をひどく強く押す」=「無理する・頑張りすぎる」という意味になります。
“He looks pushing himself too hard.”
(彼は無理している様に見える)
2つ目は「work too hard」で「働きすぎる」=「無理する」という意味です。
“Don’t work too hard.”
(無理しないで)
「無茶する」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「reckless」で、「向こう見ず」という意味です。
“What a reckless guy!”
(何て無茶する奴なんだ!)
2つ目は「jump off the deep end」で「深みに飛び込む」=「無茶する」という意味になります。
“He is always jumping off the deep end.”
(彼はいつも無茶する)
「無理する」の意味
「無理する」は「むりする」と読み、以下の3つの意味があります。
1つ目は「筋が通らず、道理に合わないことをすること」という意味です。
こちらが元の意味で、明らかに筋違いなことをすることを言います。
2つ目は上記から転じて「実現するのが困難なことをやること」という意味で、かなり難しいことを何とかしようとすることを言います。
3つ目は「正論を押し切ってすること」という意味で、本来しない方がいいことを気力ですることを言います。
上記に共通するのは「困難なことを強行する」という意味です。
「無理する」の使い方
「無理する」は、「筋が通らないことや、困難なことを何とかしてやろうとすること」に使われます。
動詞として「無理する・した」と使われたり、副詞として「無理して」と使われたりします。
「無理する」は、気力や努力、勢いなどでやり通そうとすることで、困難であっても可能性はゼロではないことに使われる言葉です。
「無理する」を使った例文
・『彼女がああまで怒るのも無理はないだろう』
・『無理を承知でお願いします』
・『そんな無理な要求には応じられない』
・『あんまり無理するなよ』
・『無理に売りつけようとするのは逆効果だ』
「無理する」の類語
・「至難(しなん)」
「思い通りに実現させるのがこの上なく難しいこと」という意味です。
・「不可能(ふかのう)」
「どうやってもできないこと」という意味です。
「無理する」の対義語
・「可能(かのう)」
「やろうと思えばできること」という意味です。
「無茶する」の意味
「無茶する」は「むちゃする」と読み、以下の3つの意味があります。
1つ目は「筋が通らず、道理に合わないことをすること」という意味で、「無理する」と同じ意味です。
2つ目は「程度が度を越したことをすること」という意味です。
「無茶」の由来には以下の2つがあります。
1つ目は「お客様にお茶を出さない」=「無茶」で、「礼儀知らず」という意味が変化したという説です。
2つ目は、仏教の「無作(むさ)」が「むざと」になり、意味も「自然のまま」「いい加減」から変化したという説です。
「無茶する」の使い方
「無茶する」は「筋が通らないことをすること」「度を越したことをすること」に使われます。
動詞として「無茶する・した」と使われたり、副詞として「無茶して」と使われたりします。
「無茶する」は「筋が通らないことをする」という意味では「無理する」と同じですが、「度を超えたことをする」という意味で使われることもあります。
「無茶する」を使った例文
・『骨折しているのに試合に出場するなんて無茶だ』
・『今日中に納品しろと言うのは無茶な話だ』
・『彼は運転する時にかなり無茶するタイプだ』
・『彼女は駆け込み乗車しようと無茶して転んだ』
・『無茶する年齢はもう過ぎただろう』
「無茶する」の類語
・「破天荒(はてんこう)」
「他の人がしなかった様なことをすること」という意味です。
・「無謀(むぼう)」
「どうなるかを全く考えずに行動すること」という意味です。
「無茶する」の対義語
・「賢明(けんめい)」
「ものごとに対して、正しく頭が良いと思える判断をすること」というい意味です。
まとめ
今回は「無理する」と「無茶する」について紹介しました。
「無理する」は「困難なことをやろうとすること」、「無茶する」は「度を超えてやろうとすること」と覚えておきましょう。