この記事では、「玉露」と「煎茶」の違いを分かりやすく説明していきます。
「玉露」とは?
「玉露」は、緑茶の中でも高級品で、太陽光を茶葉に与えないのが特徴です。
普通、緑茶の茶葉は太陽の光を栄養にして成長していくのですが、あえて成長に必要な太陽の光を取り上げて成長した茶葉をお茶に加工したものが「玉露」になります。
なので、数が少ないのは当たり前で、その理由は成長できずに終わるがゆえです。
植物は、太陽の光で光合成をおこなうことで自分の体内に栄養を作り生きるのですが、それをしない場合、茶葉は土からの栄養のみで成長する必要があり、通常よりも多くストレスがかかるがゆえ、成長を終えずに終わる物があります。
「煎茶」とは?
「煎茶」は緑茶のことで流通量が多い緑茶です。
「煎茶」は、茶葉にきちんと太陽光を当てて成長させて緑茶へと加工します。
この方法は茶葉の成長が期待できますので大量に安定して商品を出荷可能です。
なお、光合成をさせた緑茶側は、タンニンという旨味がカテキンに変換されるため、苦みが生まれます。
カテキンは抗菌作用があるのですが反面苦みが強いという特性があり、緑茶が苦いのはこの成分のせいです。
「玉露」と「煎茶」の違い
両者の違いは、太陽を当てずに育てたことで栄養素が異なります。
通常太陽を当てずに緑茶を育てるとタンニンはタンニンのままでうまみ成分を維持するため、「玉露」のほうが甘みと旨味があると感じるのはタンニンが豊富である証拠になります。
一方、「煎茶」は太陽の光の影響でうまみ成分がカテキンに変化しているため、苦みがあります。
よって両者の違いは、旨味が異なり、「玉露」は甘くすっきりした味わいですが、「煎茶」は苦みがあり渋みを楽しむ飲み物です。
まとめ
「玉露」については、早い話がアミノ酸の塊で人間はこのアミノ酸を旨味の塊であると認識するがゆえおいしいと感じるのです。
例を挙げますと、ハッピーターンというお菓子は、あれはアミノ酸の塊であるがゆえおいしいのですが、過去にはあの主成分が何であるかわからないということで違法な成分ではと言われたこともあるのです。
なので、「玉露」がおいしいのはハッピーターンと同じ理由になります。
一方「煎茶」は「玉露」と同じ製法で抽出しますが、茶葉自体が光合成で変質しているため、アミノ酸が不足しており、代わりに苦みや渋みの成分であるカテキンが豊富になっています。
なので、「煎茶」は渋みがあり苦いというのは、太陽の光を浴びているがゆえです。
「玉露」は逆に太陽の光を浴びなかった結果、旨味だけを閉じ込めた緑茶なんですが、問題はこの方法植物からすれば栄養を満足に与えられていませんのでストレスでしかありません。
このストレスをかけて食べ物をおいしくするというのは割と多くありまして、トマトもあえて水の量を少なくして土の栄養のみで成長させることでストレスの力で甘みを増すという方法がありますので、植物の中にはストレスで味わいが変化するものが割と多く存在します。