「示唆」と「暗示」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「示唆」と「暗示」の違い生活・教育

この記事では、「示唆」「暗示」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「示唆」と「暗示」の違い

「示唆」とは、それとなく知らせることです。

「暗示」には、2つの意味があります。

1つめは、手がかりを与えてそれとなく知らせること、またその手がかりのことです。

もう一つは、言葉や図形などの手段を用いて、人の感情を強制的にではなく、無意識にある方向に変化する現象のことです。

「示唆」の意味と、「暗示」の手がかりを与えてそれとなく知らせることという意味は、ほぼ同じです。

しかし、「示唆」の方が「暗示」よりも、示される内容がはっきりしています。

たとえば、ある研究をして、はっきりと言い切ることはではないけれど、そのような可能性があるという場合に「○○を示唆する」といいます。

1つの研究結果だけでは、はっきりとこうだと言い切ることができませんが、その傾向はあるということはできます。

研究をすることで数値として出すことができ、示される内容が具体的であるといえるでしょう。

小説を読んでいると、この先こういった展開になるのではないかと思われる文章が出てくることがあります。

はっきりこうなりますと言っているのではなく、たとえば空に雲が立ち込めているといったような文章から、この先暗いことが起こりそうだと予想されます。

はっきり示していませんが、それとなくそのような感じだという場合が「暗示」です。


「示唆」と「暗示」の使い方の違い

どちらの言葉もそれとなく知らせることに使用します。

「示唆」の方が示される内容が具体的です。

また「暗示」は、言葉や絵画などによって、人の感情や考えが無意識に変わる現象の意味でも使用されます。


「示唆」と「暗示」の英語表記の違い

「示唆」は英語で“suggestion”“hint”と表現をします。

「暗示」は英語で“suggestion”“hint”“clue”と表現をします。

「示唆」の意味

「示唆」とは、それとなく知らせることです。

たとえば、プロ野球選手として活躍するかもしれない選手の場合で考えてみます。

いま彼は他チームで活躍しています。

その選手を自分のチームに連れてこようと考えています。

「この選手とわがチームは契約をします」といえば、事実がはっきりとします。

はっきりしているので、このことは「示唆」ではありません。

「示唆」はほのめかすことで、「この選手に目をつけている」「契約金を交渉中だ」のようないい方だと、すでに契約しているのか事実ははっきりとしませんが、もしかしたらそうなのではないかということが感じ取れます。

遠まわしに言葉や態度などで示すことが「示唆」です。

「示唆」の使い方

遠まわしに言葉や態度でそれとなくにおわせることに対して使用をします。

はっきりと「こうです」と言い切れることではなく、そうなのではないかと感じさせる言葉や態度のことです。

「示唆」を使った例文

・『新曲を発表する可能性を示唆した』
・『A選手がチームに移籍することを示唆した』
・『今後締め付けが強化されることが示唆された』
・『AとBに関連があると示唆する』

「示唆」の類語

「暗示」「ヒント」が類語です。

「ヒント」には、問題を解く手がかりという意味があります。

「示唆」の対義語

「示唆」は、はっきり示されていないことで、反対の言葉ははっきり示すことを意味するものになります。

その言葉は「明示」です。

「暗示」の意味

「暗示」には、2つの意味があります。

1つめは、手がかりを与えてそれとなく知らせることです。

ドラマを見ていると、はっきりとこの先どうなると示されているわけではありませんが、今後の展開が予想される出来事があります。

たとえば、誰かが怪我をする、雨が降り出すといったようなものです。

これらの出来事は手がかりとなるもので、そこからこれから先の展開をそれとなくいっているように感じます。

明確には示していませんが、それとなく知らせることが「暗示」です。

もう一つの意味は、人の感情や考えなどを、言葉や絵画などを用いて、ある方向に変化する現象のことです。

「自己暗示」という言葉があります。

これは、ある言葉などを唱えて、自分で自分を思いこませようとすることです。

たとえば、発表などで緊張してしまう場面で、自分はできる人だ、堂々としている、発表は成功するなど、自分自身に思い込ませると、緊張せずによい結果を出せることがあります。

このように感情や考えなどが変化することが「暗示」です。

「暗示」の使い方

それとなく知らせる意味では、「物語を暗示する」のような使い方をします。

感情や考えなどが変化する意味では、「暗示にかける」のような使い方をします。

「暗示」を使った例文

・『壮大なドラマが展開することを暗示する』
・『暗示をかけながら化粧品を使う』
・『未来の世界を暗示している』
・『暗示にかかりやすい人』

「暗示」の類語

「示唆」「ヒント」が類語です。

「暗示」の対義語

「明示」が対義語です。

まとめ

どちらの言葉にも、それとなく知らせるという同じ意味がありますが、「示唆」の方が示される内容が具体的で、使われ方に違いがあります。