「共同」と「協同」と「協働」の違いとは?分かりやすく解釈

「共同」と「協同」と「協働」の違い生活・教育

同じような言葉に感じる「共同」「協同」「協働」ですが、どのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、「共同」「協同」「協働」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「共同(きょうどう)」の意味とは?

「共同」とは、「複数の人や組織などが、同じ目的を持って一緒に行動すること」「複数の人が同じ条件や立場で関わること」を意味する言葉です。

「共」という字は「共(とも)に」とも書くように、「一緒に」などの意味を指しています。

「同」という字も「同(おな)じ」という意味の他、「共に」「一緒に」などの意味を含んでいます。


「共同」を使った例文

・『そのイベントは異なる学校の学生たちが共同で運営していた』
・『地域住民が共同で利用している施設は来月に閉鎖される予定だ』
・『この寮は改装される以前は共同風呂、共同便所だったようだ』


「協同(きょうどう)」の意味とは?

「協同」とは、「複数の人や組織などがお互いに協力し合って物事を行うこと」を意味する言葉です。

「協」という字は「力を合わせる」「上手く合う」という意味を指しています。

「協同」を使った例文

・『全く異なる業種の会社が協同して新サービスの開発を行っているようだ』
・『未曽有の自然災害を前に、各国は協同して対応にあたった』
・『革命の際、市民たちは老若男女問わず、協同して体制打倒のために戦った』

「協働(きょうどう)」の意味とは?

「協働」とは、「同じ目的を持った複数の人や組織などが、協力して働くことや活動すること」を意味する言葉です。

「協働」を使った例文

・『地方創生のためには企業や自治体、市民が協働することが求められる』
・『子供たちがお互いに教え合う協働学習には高い効果が期待されている』
・『業界大手2社による協働事業が大々的に発表された』

「共同」と「協同」と「協働」の違い

「協同」「協働」はいずれも主たる意味は「複数の人や組織などが同じ目的のために協力し合うこと」を指していますが、ニュアンスに微妙な違いがあります。

「協同」「上下関係の有無に限らず、同じ目的を持つ同士が協力し合う」というニュアンスが含まれているのに対して、「協働」には「対等な関係として、同じ目的を持つ者同士が協力し合う」というニュアンスが含まれています。

また、「協働」が指すところの「協力」とは「同じ目的のために1つの物事を協力して行うこと」ではなく、「同じ目的のためにそれぞれが得意な分野で異なる活動をすること」という意味合いです。

一方、「同じ目的を持つ複数の人や組織などが一緒に行動すること」を意味する「共同」「協同」「協働」と近い言葉に感じますが、ニュアンスに微妙な違いがあります。

「共同」には「男女共同」のように「同じ条件や立場として関わる」というニュアンスが含まれているため、上下関係にある者同士の協力も含める「協同」とは若干意味合いが異なります。

また、「共同施設」などのように必ずしも「協力関係」に限って用いられる言葉ではないようです。

まとめ

「共同」=「複数の人や組織などが、同じ目的を持って一緒に行動すること」「複数の人が同じ条件や立場で関わること」
「協同」=「複数の人や組織などがお互いに協力し合って物事を行うこと」
「協働」=「同じ目的を持った複数の人や組織などが、協力して働くことや活動すること」