衆議院の「解散」と「総辞職」の違いとは?分かりやすく解釈

衆議院の「解散」と「総辞職」の違い専門用語・業界用語

政権の終わり方として衆議院の「解散」「総辞職」がありますが、このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、衆議院の「解散」「総辞職」の違いについて解説します。

「解散」とは?

衆議院の「解散」とは、「現在の衆議院を解散し全員を失職させたのち選挙で新たに衆議院議員を選出する手続き」を意味する言葉です。

日本の国会は衆議院の参議院の二院制を採用しています。

周産の違いは任期や選挙制度などいろいろありますが、最大の違いは「解散」の有無です。

「解散」は衆議院にのみある制度です。

法的根拠としては内閣不信任案に基づいて解散を求める憲法第69条と天皇の国事行為として定める第7条がありますが、いずれの場合も総理大臣により「解散」が求められると全ての衆議院議員は失職して地位を失います。

解散後は選挙で新しい衆議院議員が選出され新たなメンバーによる衆議院が構成されるのが「解散」手続きの流れです。

「解散」は内閣の新任を国民に問うために設けられた制度です。

国会で内閣不信任案が提出されるということは内閣に対し一定の不信が持たれていることであり新任を元に政権運営を行う議院内閣制においては信用を大きく損なっている状態にあたります。

国民からの新任を確認するために全ての衆議院議員を失職させ一から選びなおす政権選択選挙を行う手続きが「解散」です。


「総辞職」とは?

「総辞職」とは、「総理大臣を含む内閣の閣僚が全員一斉に職を辞すること」を意味する言葉です。

総理大臣の信任を問う必要がある場合か総理大臣そのものがいなくなってしまったときに「内閣をやり直すために全員一斉に辞職する手続き」「総辞職」といいます。

「総辞職」が求められるケースは「内閣の不信任決議が成立したとき」「何らかの理由で総理大臣がいなくなったとき」「衆議院議員選挙が行われるとき」の3つです。

「総辞職」後は新しい総理大臣を選ぶため国会において総理大臣指名選挙が行われ新総理が選出されます。

選ばれた新総理は直ちに新しい閣僚を指名して組閣を行い新しい政権がスタートします。

「総辞職」は閣僚の地位は失われますが国会議員としての地位はそのままです。

政権政党は変わらず政権担当者である総理大臣のみが交代します。


「解散」と「総辞職」の違い

衆議院の「解散」「総辞職」の違いは「辞める人」です。

「解散」では衆議院議員すべてが強制的に国会議員を辞めることになります。

「総辞職」は総理大臣や国務大臣など内閣を構成するすべての閣僚が辞めますが国会議員の地位は失われません。

衆議院議員が辞めた後選挙が行われて国会議員が新たに選出されてから総理大臣を選ぶのが「解散」、衆議院はそのままに内閣の閣僚だけが全員辞職し新しい総理大臣を国会で選出するのが「総辞職」という違いで区別されます。

どちらも政権の終わり方として認められている手続きですが衆議院の「解散」と同時に内閣も「総辞職」するのが通例です。

まとめ

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日本の行く末にも関わる重要事項なのでどのような手続きで政権が終わるのか、正確な違いを知っておきましょう。