この記事では、「可塑性」と「可逆性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「可塑性」とは?
固体に外から力を加えて形を変えて、加えていた力を取り除いても元に戻らない性質のことです。
ある種のプラスチックは熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まる性質を持っています。
熱を取り除いても元の状態には戻らず、冷えたときの状態のまま固まってしまいます。
こういった性質を指す言葉です。
プラスチック製品は身の回りにあふれています。
たとえば、お風呂の桶や椅子、化粧品の容器、歯ブラシ、プランターなどです。
こういったものが簡単に形が変わってしまうと使うときに困ります。
お風呂の熱で椅子が変形してしまえば、座ったときに凹み、尻もちをついてしまいます。
化粧品の容器が簡単に変形をしたら、容器から中身が出てしまう恐れがあります。
外から力を加えて形を変えて、その形が維持されれば、椅子に座ったときに尻もちをつくことがなく、化粧品の中身が出てくることはありません。
形が変わると困ることに、この性質を持つ物質を使用します。
「可塑性」の使い方
外から力を加えて形を変えて、力を取り除いても元に戻らない性質を指して使用をします。
簡単に元の形に戻ってしまうものには使用しません。
「可逆性」とは?
熱や力などを加えて形などが変わっても、元の状態に戻る性質のことです。
「可逆圧縮」というものがあります。
これはコンピューターを使ってファイルを圧縮したものを、圧縮する前の状態に戻すことができる圧縮方法のことです。
圧縮前と圧縮後ではサイズが違います。
違ってしまったものをもとに戻せないこともあれば、戻せることもあります。
この圧縮方法だと、圧縮前と同じ状態にすることができます。
こういった、元に戻る性質を意味する言葉です。
「可逆性」の使い方
熱や力などが加わって形が変わってしまっても、元の状態に戻る性質を指して使用をします。
「可逆性脳血管攣縮症候群」といった症候群の名にも使われています。
この症候群を起こすと頭痛やしびれなどが現れることがあります。
一過性のもので病状は回復します。
筋肉トレーニングでもこの言葉が使われています。
筋肉は運動をすれば強化されて太くなりますが、運動をしばらくやめると運動前の状態に戻ります。
「可塑性」と「可逆性」の違い
性質を意味する言葉です。
前者は形を変えると元には戻らない性質、後者は形を変えても元に戻る性質をいいます。
「可塑性」の例文
・『可塑性のない物質』
・『可塑性のある素材を利用する』
・『可塑性をうまく活用する』
・『可塑性のある樹脂』
「可逆性」の例文
・『可逆性のある物質』
・『可逆性ではないからもとに戻れない』
・『可逆性である点を強調する』
・『可逆性を利用する』
まとめ
性質を表す2つの言葉ですが、一方は元に戻らない性質、もう一方は元に戻る性質で、それぞれ意味が異なります。