「劣性遺伝」と「優性遺伝」の違いとは?分かりやすく解釈

「劣性遺伝」と「優性遺伝」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「劣性遺伝」「優性遺伝」の違いを分かりやすく説明していきます。

「劣性遺伝」とは?

「劣性遺伝」とは遺伝子の中で、その形質が表面化しにくい遺伝子のことです。

表面化しにくいだけで、同系の形質に潜む形で遺伝することも多いですし、遺伝子そのものに優劣はないため、現在では潜性遺伝と呼ばれるようになっています。

子の形質は親の遺伝子によって決定づけられますが、どちらの形質が表面化するかは基本的に不確定です。

しかし「劣性遺伝」の場合、その形質が表面化しにくくなります。

具体的に言うと二人の親の内片方だけ「劣性遺伝」を継いでいる場合は潜み隠れ、両方の親から「劣性遺伝」を継いでいる場合だけ形質が表れる形です。

しかし形質が表れなくても、遺伝子の影響が表面化していないだけで、「劣性遺伝」の遺伝子自体は受け継がれています。

こうして両親ともに表面化しておらず潜んでいる「劣性遺伝」同士が受け継がれ、祖先にはあって両親にはない形質が発現することがいわゆる隔世遺伝というものです。


「優性遺伝」とは?

「優性遺伝」とは形質が表面化しやすい遺伝子のことです。

形質が表面化しやすくてもその形質が良いものであるとは限らず、他の遺伝子と比べて特別優れているというわけでもないので、現在では顕性遺伝と呼ぶのが一般的になっています。

「優性遺伝」は片方の親から遺伝子を受け継いだだけでその形質が表に出てくるので、その遺伝子が受け継がれていれば確実にその影響が出てくるというものです。

同じ性質に関する遺伝子の場合、両方の親から別の「優性遺伝」をした場合は両方の形質が表れますが、片方が「優性遺伝」で片方が「劣性遺伝」だった場合、「優性遺伝」の形質だけが表れます。

しかしこの場合でも遺伝子情報的には、「優性遺伝」は勿論「劣性遺伝」の遺伝子情報も残っており、「優性遺伝」「劣性遺伝」の遺伝子を駆逐するようなこともありません。


「劣性遺伝」と「優性遺伝」の違い

「劣性遺伝」「優性遺伝」の違いを、分かりやすく解説します。

子が遺伝子を受け継いだ場合に、形質が表面化しにくい遺伝が「劣性遺伝」で、表面化しやすい遺伝子が「優性遺伝」です。

「劣性遺伝」は両方の親から同じ遺伝情報を受け継いでいなければ表面化しませんが、「優性遺伝」では片方の親から受け継いだだけでもその形質が表にでてきます。

そのため「劣性遺伝」の遺伝子は両親が同じ遺伝子を持っていないと発現する可能性もありませんが、「優性遺伝」は片方の親が持っていれば、もう片方の親が持っていなくても発現する可能性があります。

まとめ

遺伝子の劣勢優勢で一番わかりやすい例はABOの血液型です。

「劣性遺伝」のO型は「優性遺伝」のA型B型に隠れ、O型の遺伝子を持っていないAB型どうしからは生まれず、A型の親とB型の親でもO型の子が生まれる可能性があることから考えれば、「劣性遺伝」「優性遺伝」の関係を理解する一歩になるでしょう。

両親から同じものを受け継がないと発現しない遺伝子が「劣性遺伝」で、片方から受け継いだだけで発現する遺伝子が「優性遺伝」です。