同じ農地で1年に2回作物を作る農法として「二期作」と「二毛作」がありますが、このふたつの農法にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「二期作」と「二毛作」の違いについて解説します。
「二期作」とは?
「二期作」とは、「同じ農地で1年に2回同じ作物を育てて収穫する農法」を意味する言葉です。
「二期作」の使い方
田んぼ畑では通常1年に1回作物を育てて収穫します。
シーズン中複数回収穫できる作物もありますが種や苗から育てて収穫できるまでに育てるのは1回というのが一般的です。
「二期作」は「農地で作物を育てて収穫するのは通常1年に1回だけのところを2回行う農法」を指します。
収穫が2階になるので収穫量も2倍近くになり単位あたりの農業生産量を大きく増やす農法です。
「二期作」ができるのは限られた条件を満たした一部の農地です。
そもそも作物の収穫が年に1回なのは気温や気候など気象条件が強く影響しています。
作物を育てるにはふさわしい温度や天気が存在します。
成長途中は涼しく暖かくあると大きく育って収穫可能になる、というように自然の気象条件によって作物の成長が決まります。
ほとんどの農地では気象条件に合わせて作物を育てるため1年に1回が限度なのですが、一年を通じて温かいなど特定の気象条件を満たした地域では収穫後に再び種を巻いたり苗を植えたりして1年に2回の収穫が可能になります。
「二期作」は主に米で行われます。
米は暖かい地域ほど安定してよく育つことから沖縄など温暖な地域でのみ「二期作」が可能です。
同じ作物を続けて栽培し収穫する「二期作」では1回の栽培なら十分に回復する土中の栄養分が過剰に消費されてしまいます。
そのままでは栄養不足に陥り農地として使えなくなるので肥料や栄養剤で補う必要があります。
「二毛作」とは?
「二毛作」とは、「同じ農地で1年に2回異なる作物を育てて収穫する農法」を意味する言葉です。
「二毛作」の使い方
春から秋にかけては米を育てて収穫し秋から冬に麦を育てて収穫する、というようにひとつの農地を1年に2回利用しそれぞれ異なる作物を育てて収穫する農法を「二毛作」といいます。
「二毛作」ではそれぞれ異なる作物を育てるので必要な栄養分が異なる作物を組み合わせれば栄養の過剰消費が起こりにくく農地が痩せるリスクも下がります。
季節に合わせて育てやすい作物を選べるので限られた農地で農業生産量を増やすのに向いています。
「二期作」と「二毛作」の違い
「二期作」と「二毛作」はどちらもひとつの農地で1年に2回作物を育てて収穫する農法ですが「作物の種類」に違いがあります。
「二期作」は同じ作物を1年に2回同じ農地で育てて収穫するのに対し「二毛作」は異なる作物を育てて収穫します。
「二期作」の例文
・『二期作なので1年に2回米を収穫している』
・『北海道は寒いので二期作には不向きだ』
「二毛作」の例文
・『二毛作の1回目を表作2回目を裏作という』
・『二毛作では米と雑穀の組み合わせが多い』
まとめ
「二期作」と「二毛作」は栽培する作物の組合せで区別されます。
近年は化学肥料の発展による生産高向上や農地負担の軽減などから実行している農家は少なくなっているので耳にする機会は減っていますが混同しないよう言葉の意味走っておきましょう。