この記事では、「村役人」と「名主」の違いを分かりやすく説明していきます。
「村役人」とは?
「村役人」は、江戸時代の公務員のことで農民の人で国家公務員になった人々の総称です。
というのも、農民の方が公務員となり行政をつかさどるお仕事の名称は、「名主」だったり、「庄屋」と呼んだりするため国から派遣される側は「名主」だっけ?「庄屋」だっけ?となったがゆえ、そうした農民の方の公務員さんをまとめて「村役人」と呼びました。
ちなみに、「村役人」はとても有能な方は、国側から直接お声がかかり特殊任務を与えられる人物もいました。
「村役人」になると何か恩恵が受けられたのか?という点については、公務員になりますので、役員量というものが与えられ、年貢の軽減のほか、お米を貰えるという特典が与えられ、かつ衣服も絹の衣服を着るなどが許されました。
「名主」とは?
「名主」は、江戸時代のお役人のことで百姓を取りまとめるお役人のことです。
「名主」は、他の百姓が納める年貢のほか土地の権利を認めたり、新しく農民になる物に対して土地を与えるなどの事務仕事が主です。
事務仕事を行っているがゆえ、計算力と事務仕事への対応力が求められ、市場に供給する品物の値段までも関与するなど調整役でないといけないのがこのお仕事で、百姓であっても事務仕事ができないと国からお仕事を任されません。
よって、このお仕事は、今でいう公務員さんです。
「村役人」と「名主」の違い
両者の違いは、国家公務員の総称であるか、地域ごとの行政官だと述べるかです。
「村役人」は、農家の方の国家公務員の総称で、「名主」は、農家の方の公務員の地域ごとの呼び名になります。
なので、地域によっては、「名主」だったり「庄屋」だったりするため、ややこしいのでまとめて「村役人」になります。
まとめ
「村役人」と「名主」については、実のところ両者の意味は同じです。
ただ「名主」という言い方は、日本を東西に分けて東の方で言われた農家の方の公務員のことで、西側は、「庄屋」と呼んでいました。
そのため、この公務員の方は、「庄屋」だっけ?「名主」だっけ?ということが起き始めると、両者のお仕事は同じなので、「村役人」という形で呼んだのです。
ちなみに、「村役人」には、3つの位があり、それぞれの位が「名主」に「組頭」に「百姓代」という具合に「名主」をトップにして3つの公務員の方が仕事に当たってました。
なお、「百姓代」は一番下っ端の公務員になるんですが、実は行政側の不正を国に報告する義務があり、「組頭」か「名主」が不正をしていた場合報告する義務がありました。
なので、不正ばっかりをしているトップの場合は、国に報告して処罰をしてもらうこと言うことを許されていたのです。
しかも、この「百姓代」というお仕事はお給料をもらっていない、農家の方の代表者なので、言ってしまえば、農家の人たちを怒らせるとどうなるかということを知らしめるために存在するので、実は、一番しんどいお仕事は、「名主」になるのです。