地方公共団体の財源には「自主財源」と「依存財源」のふたつがあります。
このふたつの財源にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「自主財源」と「依存財源」の違いについて解説します。
「自主財源」とは?
「自主財源」とは、「地方公共残帯が直接集めて予算にあてるお金」を意味する言葉です。
「自主財源」の使い方
県税や市税、地方公共団体が運営する施設の入場料など「地方公共団体が自主的に収入として獲得するお金」を指します。
地方公共団体が自前で調達するお金なので基本的に制約なく自由に予算として使うことが可能です。
「自主財源」が多ければ多いほど地方公共団体で出来る事業や付けられる予算は多くなるので「自主財源」の割合は地方公共団体の独立性を見る一つの目安になります。
地方公共団体が自ら課して徴収する「自主財源」ですが自由に決めることはできません。
地方公共団体は営利目的の団体ではないので収入増を目指して勝手に税率を引き上げたりし要領を変更したりすることは認められません。
国による規制や議会による監視などさまざまなチェック機能により「自主財源」は厳しく管理されます。
「依存財源」とは?
「依存財源」とは、「地方公共団体に対して国や県などから交付されるお金」を意味する言葉です。
「依存財源」の使い方
地方公共団体は公共のために様々な事業を行いますが必ずしも予算が十分とはいえません。
地方公共団体に対しては事業支援や予算援助などの目的で国や県などから交付金や補助金が与えられますがこのような「国や県から地方公共団体に支援として与えられるお金」が「依存財源」です。
「依存財源」は「外部に依存することで得ている財源」です。
地方公共団体の場合は国や市などが依存先に当たります。
地方公共団体に与えられる交付金や補助金のほとんどは特定の目的や事業に使うことが差d目られています。
地方公共団体の独自判断で自由に使うことはできず、実質的には国や県が行うべき事業を市や町が行っていることに対する対価のような性質を持つお金です。
「自主財源」と「依存財源」の違い
「自主財源」と「依存財源」は「お金をどうやって得ているか」に違いがあります。
「自主財源」は地方公共団体が自らの手で収入にしているお金です。
一定の決まりはあるものの努力により増やすことが可能です。
「依存財源」は国や県から与えられる補助金や交付金など支援のお金を指します。
目的や用途が定められているものが多く自由に使えない予算がほとんどです。
「自主財源」が多いほど地方公共団体の独立性は高くなり「依存財源」が多いほど国や県に頼っている状態になります。
地方公共団体の安定運営のためには「自主財源」の比率を高める必要がありますが全国の地方公共団体で予算に占める「自主財源」の割合は平均約6割程度で4割は「依存財源」に頼っている状態です。
「自主財源」の例文
・『自主財源を増やすためにアイデアを求める』
・『自主財源が少ないので市独自でできることは限られる』
「依存財源」の例文
・『依存財源に頼る状況を改善しなければいけない』
・『地方交付税交付金は依存財源である』
まとめ
「自主財源」と「依存財源」は地方公共団体の財政を考える上で重要なキーワードです。
地方の独立性にも関係する言葉なのでそれぞれの表す意味を正確に理解しておきましょう。