「栽培漁業」と「養殖漁業」の違いとは?分かりやすく解釈

「栽培漁業」と「養殖漁業」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「栽培漁業」「養殖漁業」の違いを分かりやすく説明していきます。

「栽培漁業」とは?

「栽培漁業」は、魚が卵の状態から幼体という稚魚の状態になるまでをいけすの様な場所で守って育て上げることです。

この方式は、ウナギの卵を外敵から守り、稚魚になったものを放流して増やすというもので、魚の食べるエサがどのようなものであるかが分からないがゆえ、人間の手で完全養殖できない魚の増やし方の一つです。

この方法の利点は、えさを与える必要性が無い点ですが、問題は、魚の孵化する温度を知っていないと魚は孵化せずに死に絶えてしまう点です。


「養殖漁業」とは?

「養殖漁業」は、魚を食用目的でいけすや水槽で飼育して食べごろになると出荷する産業です。

この方法は、人工的に魚のような海産物を人間がコントロールして増やすことにあり、飼育時に必要な餌と卵が孵化する温度を知り尽くした生物であるがゆえ有効な産業になります。

逆を返せば、魚の生態が不明でどのような温度で孵化するか、水質はどの程度の温度なのかなど孵化する温度が分からない、成長させるために何を食すかすらわからないものは、「養殖漁業」には適さない魚になるのです。


「栽培漁業」と「養殖漁業」の違い

両者の違いは、孵化から幼体になるまでを人間が関与して成長を見守るか、食用目的で魚や海産物を孵化させて成長させ、数を増やしつつ食用に仕立てるかです。

「栽培漁業」は、水産資源の保護で成長を見守る、「養殖漁業」は、食べるために数を増やし、食用に出荷することを意味します。

「栽培漁業」の例文

・『ウナギの栽培漁業は存在しない』
この例は、ウナギは、卵から孵化させ幼体になるまで飼育するという産業は無いというものです。

なぜなら、ウナギの卵自体がものすごく高額なので、わざわざ卵から孵化させる意味がないのです。

なお、ウナギを研究目的で卵から孵化させる実験はありますがあれは産業ではないのでウナギの稚魚の放流になります。

「養殖漁業」の例文

・『養殖漁業は、実は、人工的に魚を増やすことでもある』
この例は、「養殖漁業」という産業は、人工授精という手法を用いたり、いけすや水槽内で交配させて水産資源を増やすことでもあるというものです。

なお、後輩に必要な条件を研究して、研究から養殖産業に生かすので研究がまだ完全ではない魚は自由に人間がコントロールして増やすことはできません。

まとめ

「栽培漁業」については、実は魚の卵の入手が重要でここの部分で躓くと稚魚になるまで成長させることはできません。

「養殖漁業」も、卵から成長させることもあれば、あえて成体の魚から交配して増やすという方法を取ることもあるので「養殖漁業」のほうが食べる目的で魚の数を増やすという意味合いが強いです。

なので、一時期ウナギの完全養殖に成功したというニュースにおいては、話題になりましたが、ウナギの卵を孵化させて稚魚まで成長させる「栽培漁業」については、話題にならないのは、ウナギの卵の入手の難しさがあるがゆえ、注目を浴びていないのです。