この記事では、「市民革命」と「名誉革命」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「市民革命」とは?
「市民革命」は「しみんかくめい」と読みます。
「市民革命」は、「ブルジョアジーが階級支配を確立する革命で、市民階級の経済的基礎である近代産業資本を確立するための戦い」という意味があります。
「ブルジョアジー」は市民階級のことで、「市民階級」は封建制度を倒し、資本主義を促進させるための戦いと言うことができます。
「市民革命」が起こる前は、封建制度が採用されていました。
「封建制度」は、封土の給与とその代償として、忠勤奉仕を基礎として成立する、国王や領主、家臣の間の主従関係に基づく統治制度を指します。
「市民革命」によって、国王や領主が、生産者である農民や市民を、身分的に支配する社会経済制度を打ち破り、個人である市民が資本を持つことを認めさせ、現在の資本主義社会への道を切り開きました。
「名誉革命」とは?
「名誉革命」は「めいよかくめい」と読みます。
「名誉革命」は「1688年にイギリスで起こった革命で、血を流さずに済んだ革命のこと」という意味があります。
流血がなかった無血革命のため、このような名前がついています。
1685年に即位したジェームズ2世が、カトリック復活政策と専制主義を強行しようとしたことに反対した議会が、国王を国外に追放し、その後、長女のメアリー2世と、夫のオレンジ公ウィリアム3世を共同統治者として迎えます。
新国王は議会の決議した「権利宣言」を承認し、「権利章典」として交付したことにより、イギリスの立憲君主制の基礎が確立されています。
立憲君主制は、立憲主義を基礎とした君主制で、王様が市民階級の民主主義的な要求と妥協した結果生まれた制度とされています。
「市民革命」と「名誉革命」の違い
「市民革命」と「名誉革命」の違いを、分かりやすく解説します。
「市民革命」と「名誉革命」は、どちらも同時代にヨーロッパで起こった革命のことを意味するという共通点があります。
ただし、「市民革命」は、この時期のヨーロッパの市民による革命全般を指す言葉で、「市民革命」の中に、イギリスで起こった「イギリス革命」が含まれ、「イギリス革命」は「ピューリタン革命」と「名誉革命」を指します。
そのため、「市民革命」の一つが、「名誉革命」と言うことができます。
このように、「市民革命」は、この時期の市民による革命の総称なのに対して、「名誉革命」は、1688年委起こった、イギリスの無血革命を指すという違いがあります。
まとめ
「市民革命」と「名誉革命」の違いについて見てきました。
2つの言葉には明確な意味の違いがありました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。