「横積厳禁」と「天地無用」の違いとは?分かりやすく解釈

「横積厳禁」と「天地無用」の違い専門用語・業界用語

運搬荷物の注意書きとして「横積厳禁」「天地無用」があります。

どちらも取り扱い注意を意味する言葉ですが具体的に何を禁止しているのでしょうか。

今回は、「横積厳禁」「天地無用」の違いについて解説します。

「横積厳禁」とは?

「横積厳禁」とは、「荷物を横に90度以上傾けてはいけない」という意味の言葉です。


「横積厳禁」の使い方

「横積厳禁」は配送や宅配される荷物に漬けられる注意書きのひとつです。

運ばれる荷物は中身によって取り扱い方法が異なります。

「横積厳禁」とは「荷物を横向きに積むことを禁止する」という意味の注意書きです。

傾けて取り扱うと中身がこぼれてしまったり破損しやすくなったりする荷物に対して「横積厳禁」という注意書きを貼ることで真っ直ぐの状態を保ったまま慎重に運搬してもらえます。

内容物のある容器や精密機器など横向きにすると正常な状態での輸送が困難になるものに対して使われる注意書きなので簡単にいえば「指定された上面を上向きにしたまま輸送すること」を指示しています。


「天地無用」とは?

「天地無用」とは、「上下を入れ替えるようにひっくり返してはいけない」という意味の言葉です。

「天地無用」の使い方

「天地無用」とは「天地を無用とする」の略語です。

「天地」という言葉は今ではあまり使われていませんがもともとは一語で「上下を入れ替える」という意味を表します。

「天地」とだけ書かれている場合は「上下をひっくり返しても構わない」という意味になります。

「天地無用」「天地を無用とする」つまり「天地ではない」ことを表しており「上下をひっくり返してはいけない」という意味の言葉です。

現代ではあまり天地という言葉が使われていないため「天地無用」「上下の区別をしなくて構わない」と誤解している人もいますがほんとうの意味はそれとは正反対です。

「天地無用」は上下がはっきりと区別されている荷物に注意書きとして貼られる言葉です。

上下の区別がある荷物を逆さまに積んでしまうと破損や故障の危険があります。

上積みできるよう厳重に梱包された荷物であっても上下が逆さまだと本来の強度が確保できず上積みに失敗してしまうこともあります。

「天地無用」と書かれている荷物を見たら指示通りの上下を守って取り扱うのが正解です。

「横積厳禁」と「天地無用」の違い

「横積厳禁」は90度以上傾けることを禁止する、「天地無用」は180度傾けるのを禁止する言葉ですが実質的にはほとんど違いがありません。

「横積厳禁」でも上下をひっくり返すのは禁止ですし、「天地無用」だからといって横向きに置いていいわけではなく上下を守って正しく置くよう求めています。

細かい意味の違いを考えるよりも上面を上に向けて置くことのほうが重要です。

「横積厳禁」の例文

・『横積厳禁なので丁寧に取り扱う』
・『ピアノの輸送中は横積厳禁である』

「天地無用」の例文

・『天地無用なのでひっくり返さないよう注意する』
・『天地無用だと誤解されやすいので逆さま厳禁という注意書きが増えている』

まとめ

「横積厳禁」「天地無用」は言葉の意味には違いがありますが実質的に支持している内容はほとんど同じです。

荷物を運ぶときだけでなく発送するときにも使う言葉なのでそれぞれの意味を覚えておきましょう。