この記事では、「飲む」と「飲み込む」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「飲む」と「飲み込む」の違い
「飲む」と「飲み込む」の違いは、「飲む」が主に「水・清涼飲料水(ジュース)・お酒などの飲み物を口(のど)から噛まずに体内に入れること」を意味しているのに対して、「飲み込む」は「食べ物・飲み物を口に入れて喉よりも奥深い部分に嚥下(えんか)すること」を意味している違いがあります。
「飲み込む」という表現のニュアンスとして、「飲む」にはない「本来は口(のど)から取り込まないもの(固形物・異物)を取り込むこと」のニュアンスもあります。
また「飲む」には「威圧して圧倒する・受諾する・感情を抑制する」などの意味があり、「飲み込む」には「理解する・我慢する」の意味がある違いも挙げられます。
「飲む」と「飲み込む」の使い方の違い
「飲む」は「主に飲み物を口(のど)から体の中に入れること」の意味で使われますが、「飲み込む」のほうは「飲み物・食べ物をのどよりも奥の部分へごっくんと入れること、嚥下すること」の意味で使う違いがあります。
「飲み込む」は「ご飯を飲み込む・異物(ボタン)を飲み込む」のように、「本来は口から入れないもの(固形物)を口から取り込む」の意味で使われる違いがあります。
また「飲む」の表現は「飲み物・粉末などを口から体内に入れる」の使い方だけではなく、「雰囲気(空気)に飲まれる・敵を飲む・息を飲む・涙を飲む・条件を飲む・固唾を呑む・波(雪崩)に呑まれる」などの「飲み込むにない用法」で使える違いもあります。
「飲む」と「飲み込む」の英語表記の違い
「飲む」の言葉を、英語で表すと以下になります。
“drink”……飲み物(ドリンク)を飲む・お酒(アルコール)を飲む・飲む。
“magnificent”……「息を飲む」の意味では、「とても素晴らしい・凄いと感動する」を意味するこの英語が使えます。
“overwhelm”……「相手を飲む・敵を飲む」の意味では、「相手よりも優位に立って圧倒する」を示すこの英語が使用できます。
“accept”……「提案を飲む・要求を飲む」の意味では、「受け容れる・受諾する」を示すこの英語になります。
「飲み込む」の言葉を、英語を使用して表記すると以下になります。
“swallow”……口(のど)から飲食物を嚥下する。
飲み込む。
感情などを抑制する。
“understand”……物事の持つ意味を理解する。
飲み込む。
「飲む」の意味
「飲む(のむ)」とは、「主に飲み物を喉から噛まずに体の中に入れること」や「お酒(アルコール)をのどから取り入れること」を意味しています。
「飲む」の表現はそれ以外にも、「相手を圧倒する・相手を下に見る」や「受け入れる・OKする」、「刃物などを隠して持つ」、「感情・態度などが外に見えないように堪える(こらえる)」などの意味を持っています。
「飲む」の使い方
「飲む」の言葉は、「主に飲料(ドリンク)を、口(のど)から体内に噛まずに取り入れること」を意味して使う使い方をします。
多義語である「飲む」は、「涙を飲む・息を飲む・雰囲気に飲まれる・敵を飲む・条件を飲む・ドス(凶器)を飲む・タバコを飲む」など比喩的な用法で使えますが、これらの比喩的用法では「飲む」より「呑む」が使われる頻度が多くなっています。
「飲む」を使った例文
・『私にはモーニングコーヒーを飲む習慣があります。』
・『武術の達人は試合が始まる前から相手を飲んでいました。』
・『お酒を飲みすぎて、二日酔いに苦しめられました。』
・『涙を飲んで、相手の理不尽な要求を受け入れました。』
・『相手の提示してきた条件を飲むことはできません。』
「飲む」の類語
「飲む」の類語には、以下の言葉があります。
・『飲酒(いんしゅ)』……お酒(アルコール類)をのむこと。
・『見くびる(みくびる)』……自分よりも相手のほうが格下(弱い)と思って軽視すること。
・『受諾する(じゅだくする)』……相手が求めてきた内容を受け入れてOKすること。
・『喫煙(きつえん)』……口からタバコを吸うこと。
・『堪える(こらえる)』……外に出そうになる感情・思いを抑制すること。
「飲む」の対義語
「飲む」の対義語には、以下の言葉があります。
・『吐く(はく)』……口の中に入れた飲食物を外に出すこと。
気分(体調)が悪くなって、一度食べたものを口の外に出してしまうこと。
「飲み込む」の意味
「飲み込む(のみこむ)」とは、「飲食物を口に入れて喉よりも奥の部分(胃)に通すこと」や「口内の飲食物・固形物をごっくんと嚥下(えんか)すること」を意味しています。
「飲み込む」の表現には、「物事の意味・趣旨を理解すること」や「外に表出しそうになる強い感情・言葉・あくびを抑制(我慢)すること」、「雪崩などの自然現象や建築物が人をその内部に取り込むこと(取り込んで破壊したり生命を危機に追いやること)」といった意味合いもあります。
「飲み込む」の使い方
「飲み込む」は「ご飯(ガム)を飲み込む」のように、「飲食物(固形物)を口(のど)から奥の場所(胃)に通す」の意味で使われます。
また「物事の意味・内容を理解すること」や「表に出したい強烈な感情・言葉・あくびを抑え込む」、「大波・雪崩などの自然現象が人・家などを取り込んで破壊してしまう」、「大きな建造物の中に大勢の人が収まる」の意味で、「飲み込む」を使うことが可能です。
「飲み込む」には、「つばを飲み込む・趣旨を飲み込む・意味を飲み込む・言葉を飲み込む・(雪崩などが)人を飲み込む」などの用法で使う使い方があります。
「飲み込む」を使った例文
・『小さな赤ちゃんがボタンなどを飲み込まないように気をつけて見てあげてください。』
・『固形物を飲み込めない嚥下障害によって、誤嚥性肺炎のリスクが高まっています。』
・『デスクワークをスピーディーに片付けるためのコツを飲み込みました。』
・『彼女の悲しそうな顔を見ると、彼女に言いたい言葉を飲み込むしかありませんでした。』
・『冬山で発生した雪崩が登山家のパーティーを飲み込みました。』
「飲み込む」の類語
「飲み込む」の類語には、以下の言葉があります。
・『飲み下す(のみくだす)』……食べ物や飲み物をのどに入れてからさらに奥へと通すこと。
・『嚥下する(えんかする・えんげする)』……飲食物を咽喉(いんこう)よりも奥の部分に通すためにごっくんと飲み下すこと。
・『理解する(りかいする)』……ある意見・物事・主張の内容や趣旨について分かること。
・『我慢する(がまんする)』……自分のしたいことや言いたいことをこらえて(自己抑制して)耐えること。
「飲み込む」の対義語
「飲み込む」の対義語には、以下の言葉があります。
・『吐き出す(はきだす)』……口の中に入れて飲み下そうとしたものを、意識的あるいは反射的に外に出すこと。
・『納得しない(なっとくしない)』……ある物事について理解せず受け入れない(認めない)こと。
まとめ
「飲む」と「飲み込む」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「飲む」と「飲み込む」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。