マーケティングに関する用語として「ダイマ」と「ステマ」があります。
このふたつはどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「ダイマ」と「ステマ」の違いについて解説します。
「ダイマ」とは?
「ダイマ」とは、「宣伝主体がその存在を公にしながら顧客に直接アプローチする宣伝手法」を意味する言葉です。
「ダイマ」の使い方
「ダイマ」は「ダイレクトマーケティング」の略語です。
もともとの意味は「顧客に直接接触し反応を見ながら最適な手法を模索するマーケティング方法」を意味する言葉でしたが、現在では「広告や宣伝であることを隠すことなく行われる宣伝活動」という意味で使われています。
「ダイマ」は簡単にいえば「広告ですと表明している広告」です。
マスメディアの発達とともに広告は非情に強い力を持つようになっています。
広告は一種の洗脳装置であり使い方によっては大衆の思想を誘導したり特定の価値観を植え付けたりする危険性も考えられることから様々な規制がかけられています。
見る人がこれは広告であるとわかるように宣伝活動を行わなければならない、というのもマーケティングにかけられた規制のひとつです。
広告や宣伝であることを隠さず見る人がわかるようにしながら展開される広告宣伝活動が「ダイマ」にあたります。
狭義では特定の顧客にダイレクトメールを送ったり属性を分類し潜在顧客になる可能性が高いそうにのみ広告を表示したりといったような「対象を厳選し直接的に展開される宣伝活動」を「ダイマ」といいますが、一般的には「広く公開される形で行われる広告宣伝活動」という意味で使われています。
「ステマ」とは?
「ステマ」とは、「広告や宣伝であることを隠しながら行われるマーケティング活動」を意味する言葉です。
「ステマ」の使い方
「ステマ」は「ステルスマーケティング」の略語です。
「ステルス」は「存在を隠す」という意味でレーダーに映らない戦闘機のことを「ステルス戦闘機」というようにその存在を認知できないことを表します。
一般的なマーケティング活動はテレビCMや雑誌広告などそれが広告や宣伝であると明らかに分かる形で展開されます。
大衆は広告を広告であるとわかりながら商品の内容をチェックし価値を見極めて購買するかどうか判断します。
「ステマ」では広告であることを隠して宣伝活動を行います。
SNSの有名インフルエンサーが自分で選んで購入した商品を絶賛している風を装いながら実は企業から謝礼を受け取りたいかとして商品をアピールしていた、というようなケースが「ステマ」です。
「ステマ」は日本では禁止されているマーケティング活動です。
広告や宣伝であることを隠しながらマーケティング活動を行うのは不誠実であるだけでなく人々に虚偽の事実を刷り込む恐れがあります。
公平公正な競争を阻害する行為であり悪用されると非情に危険なことから「ステマ」は禁じられています。
「ダイマ」と「ステマ」の違い
「ダイマ」と「ステマ」の違いは「マーケティング活動であることを明らかにしているかいないか」です。
広告や宣伝であることを明らかにしているのが「ダイマ」、マーケティング活動であることを隠して行われるのが「ステマ」です。
「ダイマ」の例文
・『ダイマの効果を分析する』
・『広告費削減のためにダイマを見直すことになった』
・『ダイマの顧客に対する訴求力は高い』
「ステマ」の例文
・『PRの文字を表記しないとステマ扱いになってしまう』
・『ステマがバレて炎上する』
・『同じタイミングで絶賛する内容の記事がアップされればステマを疑わざるをえない』
まとめ
「ダイマ」と「ステマ」はマーケティングを学ぶと必ず登場する言葉です。
マーケティングの規制やルールに関係する言葉なのでそれぞれの正確な意味を知っておきましょう。