この記事では、「体言止め」と「倒置法」の違いを分かりやすく説明していきます。
国語力を養っていきましょう。
「体言止め」とは?
体言止めとは、文末を体言で終わりにする書き方のこと。
ちなみに体言というのは、名詞や代名詞をあらわします。
「が」という言葉を付けると、とたんに主語になれるものが体言です。
「山」や「猫」そして「空」などが、体言のひとつの例です。
体言止めでは、必ず文末を体言で終わらせます。
「どこまでも明るい未来」や「青空に映える、桜の木」などが体言止めの例になります。
体言止めのメリットは、リズム感が良くなること。
そして雰囲気のいい文になることです。
流行りの歌も余韻を与えるために、あえて体言止めにしている歌詞もあります。
意識しながらヒットソングを見ると、新しい発見があります。
「倒置法」とは?
倒置法とは、文章の前と後ろを入れ替えた技法のこと。
「倒置(とうち)」とは、あべこべ。
逆さまをあらわします。
そのため本来の文章とは異なる、逆立ちしているような文章を倒置法といいます。
例えば「悲しくなったら、空を見上げてみて」という文が通常バージョンだったとします。
倒置法を使うと、前と後ろが入れ替わります。
そのため「空を見上げてみて、悲しくなったら」となります。
入れ替える前と比べてみると、ただ前後を変えただけなのに、どこか詩のような情緒的な文に変化しているのが分かります。
倒置法はここぞという時につかうと、文を強めたり弱めたりトーンに変化を付けていけます。
「体言止め」と「倒置法」の違い
どちらも文章の技法です。
「体言止め」と「倒置法」の違いを、分かりやすく解説します。
・名詞で終わるのは、体言止め
「体言止め」と「倒置法」はとても似ていて、間違えやすいです。
おさらいすると、体言止めとは体言で文章を終わりにする方法です。
体言というのは「が」を付けると主語になれるものです。
そして倒置法は前と後ろのブロックを、単純に入れ替えた技法です。
主語と述語という並び方だった文章が、倒置法を用いることによって、述語から主語へというパターンに変化しています。
また文章が体言では終わらず「走り続ける、犬たちは」や「絶対に負けない、明日の試合は」のように、文章が中途半端なところで終わっているのが分かります。
テストでもし「体言止め」と「倒置法」か問われたら、まずは文末がどうなっているかを確認します。
「海」や「空」のように区切りのいい単語で終わっていたら、体言止め。
そうではなく「音楽が」や「私たちは」のように中途半端な終わりになっていたら倒置法です。
落ちついて考えれば解けるので、自信をもって回答していきましょう。
まとめ
「体言止め」と「倒置法」の違いを分かりやすくお伝えしました。
体言止めとは名詞や代名詞など、単語で終わっている文章をいいます。
そして倒置法とは通常の文と、前後があべこべになっている文をいいます。
体言止めはリズムを与えるため、倒置法は文章を弱めたり強めたりする独特の働きがあります。