「媒体」と「メディア」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「媒体」と「メディア」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「媒体」「メディア」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「媒体」と「メディア」の違い

「媒体(ばいたい)」「メディア」は国語辞典における「メディア」の意味が「媒体」と記載されているように、日常的な用法では「媒体」「メディア」「情報伝達をなかだち(媒介)するもの」を意味する同義語になっています。

ただし「テレビ・新聞・インターネット・雑誌・ラジオ」などの不特定多数の人に情報を媒介する仕組み・事業・装置は一般的に「メディア(マスメディア)」と呼ばれていて、「媒体」という呼び方はかしこまった文章・論文などでしか使われていない違いがあります。

また「媒体」には「メディア」の意味だけではなく、「細菌・ウイルスなどの病原菌を仲介するもの(動物・生物など)」の意味があるという「メディア」との違いが挙げられます。


「媒体」と「メディア」の使い方の違い

「媒体」「メディア」の使い方の違いは、「媒体」「あるものとあるものの間に入って情報伝達・関係をなかだち(媒介)するもの全般」「メディアのフォーマルな表現」を意味して使うのに対して、「メディア」のほうは「不特定多数の人々に情報を伝達したりコミュニケーションしたりする手段」「情報の記録・伝達・保管などに使用されるマスメディア・装置・仕組み」を意味して使う違いになります。

例えば、「ネットではメディアリテラシーがないとコミュニケーションのトラブルが起こりがちです」という文章は、「媒体」「コミュニケーション手段の含意」が弱いため、「媒体リテラシー」とは言い換えられません。

また「媒体」のほうが「メディア」よりも、「かしこまったフォーマルな表現」として使われる違いも指摘できます。


「媒体」と「メディア」の英語表記の違い

「媒体」を英語で表記すると以下のようになります。

“medium”“mediums”“media”(媒体の単数形はmediumで、複数形がmediumsやmediaになります)

「媒体」に対して「メディア」という言葉を英語で表記すると以下のようになります。

“media”(情報の伝達・記録・保管などを仲介する役割を果たすもの、マスメディア、メディア)

このように、「媒体」「メディア」の英語表記はどちらも同じ“media”になっています。

「媒体」の意味

「媒体(ばいたい)」というのは、「あるもの(人)と他のもの(人)との間に立ち入って、情報伝達などを媒介するもの・装置」を意味しています。

また「媒体」の表現には、「他者に情報を伝達する役割を果たすテレビ・新聞・インターネット・雑誌などのメディア」という意味合いも備わっていて、特に「新聞・雑誌」の紙で情報を伝えるメディアは「紙媒体」と呼ばれています。

さらに「媒体」には、「病原菌・伝染病などを媒介するもの(動物・生物など)」「媒質となる物体を示す化学用語」の意味もあります。

「媒体」の使い方

「媒体」の使い方は、「あるもの(人)から他のもの(人)へと何らかの情報を伝達する時に、その媒介・仲立ちになるもの・装置・仕組み」を意味して使うという使い方になります。

「媒体」は一般に「テレビ・新聞・インターネットなど他者に幅広く情報伝達することができるメディア」を意味して使われますが、「伝染病・病原菌を媒介するもの」という意味合いでも使われます。

例えば、「媒体を適切に活用すれば効果的な宣伝ができます」「マラリアという熱帯の伝染病は、蚊が媒体になっています」などの文章で使うことができます。

「媒体」を使った例文

・『テレビのような映像を使った媒体が登場するまでは、紙・文字・音声が媒体の中心でした』
・『テレビとインターネットによって、紙媒体・活字文化が急速に衰退しました』
・『コンバージョンにつながる宣伝広告を行うためには、媒体の選定が重要になります』
・『どんな化学物質を媒体に使ったのかによって、化学反応の結果は変わってきます』
・『近代以前には、ネズミやイタチのような動物が伝染病の媒体になることが多かったのです』

「媒体」の類語

「媒体」の類語には、「媒介・仲介・中継・仲立ち・メディア」などがあります。

「媒体」とは、「あるものと他のものの間に入ることで媒介・仲介・仲立ちをするもの」「他者に情報を伝達するために間に入って中継するもの」を意味している表現です。

「媒体」は一般的に、「テレビ・新聞・インターネット・ラジオなど大勢の他者に対して情報伝達できるメディア」のことを示しています。

その意味から、「媒体」とよく似た意味を持つ類語として、「媒介・仲介・中継・仲立ち・メディア」を挙げることができます。

「媒体」をさらに詳しく解説

大勢の他者に情報伝達したり宣伝・広告をしたりするための「媒体」「メディア」のことですが、この「媒体」はさらに大きく「マス媒体」「ミニ媒体」に分けることができます。

「マス媒体」とは「新聞・テレビ・雑誌・ラジオなどの大勢の人たちに一度に情報伝達できる仕組み」であり、「ミニ媒体」のほうは「看板・交通広告・POP・DM・チラシ・ポスター・スライド広告などのその場で目にした人だけに情報伝達できるもの」を意味しています。

「メディア」の意味

「メディア」とは、「あるもの(人)と他のもの(人)の間に入って、情報・コミュニケーションを媒介するもの」を意味している言葉です。

「メディア」の一般的な意味として、「テレビ・新聞・ラジオ・インターネットなどの不特定多数に情報やコミュニケーションを伝達することができる手段・装置・仕組み」があります。

「メディア」とは、「あるものと他のものの間(少数の人と不特定多数の人の間)で、情報の記録・保管やコミュニケーションの伝達に使われる仕組みや装置」のことなのです。

「メディア」の使い方

「メディア」という表現は、「ある人から他の人に向けて、情報やコミュニケーションを伝達する時に使用される手段・装置・仕組み」「テレビ・新聞・ラジオ・雑誌・インターネットなどの大勢の人に情報を伝えられる媒体」を意味して使うという使い方になります。

例えば、「メディアを活用すれば、大勢の人に一瞬で同じ情報を知ってもらえます」といった文章で使えます。

「メディア」を使った例文

・『効果的なマーケティングに使えるメディアを探しています』
・『現代の会社経営には、メディア戦略の知識と経験も重要になっています』
・『メディアリテラシーが欠如していると、名誉毀損・著作権侵害などの訴訟リスクが発生します』
・『ウェブはテレビ・新聞以上の影響力を持つメディアとして成長してきました』
・『より効果的な宣伝をするメディアミックスが模索されています』

「メディア」の類語

「メディア」の類語には、「媒体・手段・テレビ・新聞」などがあります。

「メディア」という時には、一般に「テレビ・新聞のマスメディア」のことを意味しています。

「メディア」の言葉には、「あるものと他のものの情報伝達を仲介する媒体やその手段(方法)」といった意味合いもあります。

これらの意味から、「メディア」と類似した意味を持っている類語として、「媒体・手段・テレビ・新聞」を考えることができます。

「メディア」の大まかな種類

現在では「メディア」は、「マスメディア・ネットメディア・ソーシャルメディア」の種類に大きく分けられます。

マスメディア……不特定多数に同時に情報伝達できるテレビ・新聞・雑誌・ラジオなど

ネットメディア……ユーザー各人の興味・好み・趣味に合わせた情報発信ができる自社サイト(オウンドメディア)・口コミサイト・キュレーションサイトなど

ソーシャルメディア……双方向のコミュニケーションができるFacebookやTwitter、Instagramなど

まとめ

「媒体」「メディア」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「媒体」「メディア」の意味・使い方・英語の違いや類語・解説内容を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。