新興企業をあらわす言葉として「スタートアップ」と「ユニコーン」があります。
このふたつはそれぞれどのような企業を表すのでしょうか。
今回は、「スタートアップ」と「ユニコーン」の違いについて解説します。
「スタートアップ」とは?
「スタートアップ」とは、「革新的なアイデアにより短期間のうちに目覚ましい成長を遂げる新興企業」を意味する言葉です。
「スタートアップ」の使い方
「スタートアップ」という言葉はもともと「立ち上げたばかりの企業」を指す言葉として使われていましたが、いつしか「設立して間もないのにコレまでにない革新性により急成長を遂げた企業」という意味に変遷した言葉です。
簡単にいえば「スタートアップ」とは「スタートダッシュに大成功した新興企業」を意味します。
ビジネスの成功を目指して野心的に立ち上げられる会社を総称して「ベンチャー企業」といいますが、「スタートアップ」はベンチャー企業の中でも「他に例を見ないような全く新しい発想やビジネスモデルを用いて瞬く間に大きく成長した企業」を指します。
一般的なベンチャー企業との違いは「革新性」と「急成長」です。
既存のアイデアやモデルを使わず業界に大きな変化をもたらすような革新性を有し、通常では考えられないほど急激な成長率を実現する企業を指して「スタートアップ」と表現します。
「ユニコーン」とは?
「ユニコーン」とは、「設立して間もないのに時価総額が急上昇した新興企業」を意味する言葉です。
「ユニコーン」の使い方
一般的な基準としては「企業としての価値評価が10億ドル以上」「設立から10年以内」「未上場」の3つを満たす企業を「ユニコーン」としています。
もともとはアメリカのベンチャービジネス業界で誕生した言葉でITベンチャーが最も盛んだった2010年代に誕生した言葉です。
それまで企業投資というのは長期的な視点に立つ見方が主流でしたがITバブルと呼ばれるベンチャーの隆盛によりこれまでありえなかったほど急成長を遂げる新興企業が次々に現れました。
グラフを突き破るような鋭い成長曲線を描く様子を伝説上の幻獣「ユニコーン」の頭から鋭く伸びる角に例えた造語です。
「スタートアップ」と「ユニコーン」の違い
「スタートアップ」と「ユニコーン」の違いは「評価額」です。
「スタートアップ」は急成長を遂げた新興企業を指す言葉ですが評価額について具体的な定義はありません。
企業としての評価よりもビジネスにおける革新性が重視されています。
「ユニコーン」は評価額10億ドル以上という明確な基準が存在します。
ビジネスの革新性についてはほとんど考慮されず、価値を高めたという結果を重視して評価されます。
「スタートアップ」企業の中でも特に企業評価額が急上昇し10億ドルを超えた企業が「ユニコーン」と呼ばれます。
「スタートアップ」の例文
・『斬新な発想で顧客を獲得したスタートアップ企業の入社試験を受ける』
・『スタートアップを信じて資金を投資する』
「ユニコーン」の例文
・『ユニコーンと呼ばれる企業のほとんどはアメリカの企業である』
・『中国初のユニコーンが世界を席巻している』
まとめ
「スタートアップ」と「ユニコーン」はどちらも急成長した新興企業を指す言葉ですが評価額や革新性に違いが見られます。
ベンチャー投資の世界では頻繁に使われる言葉なので意味を知っておきましょう。