この記事では、「オイルサーディン」と「アンチョビ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「オイルサーディン」とは?
「オイルサーディン」とは小さなイワシを油で煮た料理です。
「オイルサーディン」に使われるイワシは頭と尻尾を切り落とし、内臓も外した上で調理されます。
その状態のイワシを一度塩に漬けて、その後香辛料とともに油で煮て加熱調理した物が「オイルサーディン」です。
多少手間を加えてアレンジ料理にして食べられることもありますが、基本的には料理に使う食材ではなく、そのまま食べるために作られる保存食になります。
イワシを使った保存食であり、日本の歴史上初めて作られた缶詰が「オイルサーディン」の缶詰だったこともあってか、缶詰の状態で販売保存されることが一般的です。
「アンチョビ」とは?
「アンチョビ」とはカタクチイワシを塩漬けにしたあとに油漬けにしたものです。
「アンチョビ」という言葉はカタクチイワシ科の総称ですが、日本では総称としてではなく、食品の名前として認知されています。
「アンチョビ」は頭や尻尾に内蔵までまるごとそのままの状態で塩漬けされ、数ヶ月かけて発酵させ、十分発酵したらオリーブオイルなどの油に漬け込み完成です。
そのまま食べることもありますが、塩漬けで発酵させていることから塩分が高く、そのまま食べるよりは料理に混ぜたり調味料として使われます。
また発酵させていることもあって塩分が強いだけでなく、風味も強くなっているので、そのまま食べるにはやや癖がありますが、味付けに使うと独特な香りが味を引き立たせる発酵食品です。
「オイルサーディン」と「アンチョビ」の違い
「オイルサーディン」と「アンチョビ」の違いを、分かりやすく解説します。
塩につけたイワシを油で煮た保存食が「オイルサーディン」で、カタクチイワシを発酵させたものが「アンチョビ」です。
「オイルサーディン」は頭と尻尾、内臓を外して作られますが、「アンチョビ」はそういった部位を外さずカタクチイワシを丸ごとそのまま使って作られます。
「オイルサーディン」は味付けのために塩や塩水に漬けるので、漬け時間はそれほど長くありません。
しかし「アンチョビ」は塩漬けにして発酵させるので、数ヶ月単位で塩漬けにされます。
そのため「オイルサーディン」は保存食としてそのまま食べられる事が多いですが、「アンチョビ」は発酵調味料の一種として料理の味付けや風味付けに使われることが多いというのも両者の違いです。
まとめ
どちらもイワシと塩、油という共通点はあるものの、「オイルサーディン」はそのまま食べるために味付けされているのに対し、「アンチョビ」は発酵までさせているので大違いです。
「アンチョビ」はイワシだからと「オイルサーディン」で代用しようとすると、発酵食品特有の風味がなくて物足りないことも多いですし、どちらも最終的には油漬けにされるイワシとは言え、全くの別物と思っておくべきでしょう。