運転教習所などで必ず習いますが、普段の安全運転の為にも必ず頭に入れておきたい距離の考え方があります。
今回はその中でも最も大切な3つについてご紹介したいと思います。
この記事では「空走距離」と「停止距離」と「制動距離」の違いを分かりやすく説明していきます。
「空走距離」とは
これは『運転者が外からの情報をもとにブレーキを踏むまでに進んでしまう距離』です。
残念ながら人間には目に映る情報に対して反応を起こすまでにどうしても時間が掛かってしまいます。
動体視力がいいなど何らかの身体的な特徴は人によりさまざまあるものの、情報を脳で認知してから行動を起こすまでにはどんな超人でもタイムラグが発生します。
この間にも車というものはたとえ0. 1秒であっても動いているのです。
ましてや病気や体調などで判断が鈍るというリスクもあります。
「停止距離」とは
これは『運転者が外の情報から車を停止しようとアクションを起こしてから実際に車が完全に止まるまでに移動する距離』を指しています。
車が動いて止まりたいと思ってから文字通り『停止』するまでの距離のことですので、漢字からもイメージを持つことは非常にしやすい言葉だと思います。
しかしながらこの『停止距離』は単純ではなく、上記の『空走距離』と次の『制動距離』が複雑に関わってくるものです。
「制動距離」とは
これは『停止しようとブレーキを踏んでから完全に車が止まるまでの距離』です。
車はブレーキを掛けても車の重さやブレーキの利き具合、出しているスピードで距離が大きく変わってしまいます。
学校の体育の授業で50mや100m徒競走を行っていることを考えればわかりやすいと思いますが、たとえ人間でも全力で走ってから止まろうとしても急には止まれません。
全く同じことが車にも発生します。
速度や重さ、車のタイヤやブレーキのコンディション以外にも路面状況も大きく影響してきます。
路面が水にぬれていて『制動距離』が伸びてしまう『ハイドロプレーニング現象』や路面が凍結しており滑ってしまうなどが主な例として挙げることが出来ます。
「空走距離」と「停止距離」と「制動距離」の違い
それぞれ『運転手が止まろうと思い立ってからブレーキを踏むまに進む距離』、『運転手が止まろうと思ってアクションを起こし実際に止まるまでに進む距離』、『ブレーキを踏んでから実際に車が止まるまでに進む距離』という違いをつけることができます。
言い方を変えれば、『停止距離』は『空走距離』と『制動距離』の合計であるともいえます。
『空走距離』や『制動距離』は様々な要因で増加し、一般的に速度が高ければ高いほど制御は難しくなるとされています。
よく聞く標語に『車は急には止まれない』というものがありますが、これは歩行者だけではなく、運転手側にも当てはまる大事な考えであるということが出来ます。
まとめ
如何でしたでしょうか。
それぞれの距離の求め方は物理学的にしっかりとした計算式がありますが、そこに人間の疲労や予期せぬ外的要因などもあります。
したがって決して自分の運転技術を過信することなく、ハンドルを握っている時には運転に集中することがとても大事なのです。