「建築主」と「設計者」と「施工主」の違いとは?分かりやすく解釈

「建築主」と「設計者」と「施工主」の違い専門用語・業界用語

家や建築物を建てる時などに目にする担当を指す言葉というものは様々存在していますが今回は代表的な3つをご紹介致します。

この記事では「建築主」「設計者」「施工主」の違いを分かりやすく説明していきます。

「建築主」とは

これは『建築物を建てる際に工事の契約注文を依頼する人物』を表している言葉です。

平たく言ってしまうと『建物を建てたいと思っており、お金を支払う人』ということができます。

建築会社にとって『建築主』はいわゆる契約をして注文を出し、お金を支払うという関係上、その建物の持ち主ということになります。

『施主(せしゅ)』という似た表現もあります。

注意をしたいのは後にご紹介する『施工主』とは全く定義が異なる点です。

注文住宅の場合は済む人が『建築主』になりますが、建売住宅の場合は建築会社が該当します。

いずれの場合も審査機関へ申請書を提出いてからの工事となり、完了後も届け出をして検査に合格して検査済証をもらう必要があります。


「設計者」とは

これは『建築主から依頼を受けて建物の図面作成、必要申請内容のチェック、現場工事状況の進捗管理などを行う人物や団体』を指します。

『設計者』と書いていますので図面を引くだけかと思いがちですが、実際には様々な細かいサポートを行って建築主と次項でご紹介する『施工主』との仲介、交渉、折衝を行います。

別の表現では『建築士』ともいわれますが、こちらの方が『一級建築士』などの資格名を耳にすることも多いので馴染みがあるという方も多いのではないでしょうか。

『設計者』が所属するのはハウスメーカーだけでなく、個人事務所や建築業者など様々あります。

よく『建築家』と呼ばれる人物がメディアなどに出ますが、個人事務所で設計を行っている『設計者』ということになります。


「施工主」とは

これは『建築主から依頼をされて設計者からの指示通りに建物を実際に建てる代表者』という意味を持っている言葉です。

つまり、実際に材料や道具を使って家や建物を工事するのが『施工主』になっています。

ハウスメーカや工務店が一般的で、先ほどご紹介した『設計者』を擁する場合も多いです。

建築主からの依頼はあるものの、実際の進捗管理などは『設計者』がメインで進めています。

個人住宅の場合に当てはめると理解しやすいですが、これは『建築主』と『施工主』との間でコミュニケーションや知識の不足などによって生じるトラブルを防ぐ為という側面もあります。

「建築主」と「設計者」と「施工主」の違い

それぞれ平たく表現をすると『建物のオーナー』、『図面を作製し指示を出す人物や団体』、『実際に建物を工事する団体』という違いをつけることができます。

『施主』と『施工主』は一文字違いですが、まったく立場が違うというのもこの際覚えておきたい表現です。

まとめ

如何でしたでしょうか。

それぞれの単語を見ても具体的に何を行っているのかなかなかイメージしにくかった部分が少しでもすっきりしたのではないでしょうか。

建築途中の工事現場に看板がかかっているのを見たことがある方も多いと思いますが、今回の3つの情報は建築基準法や建設業法によって定められており必ず記載をしなければなりません。

もしも看板を見る機会がありましたら是非注意して観察してみてはいかがでしょうか。