この記事では、「後」と「跡」と「痕」の違いを分かりやすく説明していきます。
「後」とは?
「後」は「あと・のち」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「人の背中の向いている方向」という意味で、人の背中側で目の届かない方向のことです。
2つ目は「その時点から続く時間」という意味で、ある時点以降のことです。
3つ目は「ものごとが終わってからのこと」という意味で、ものごとが終わって区切りがついてから始まる時間のことです。
4つ目は「連続するものの中で、次に来るもの」という意味で、続いているものの中で、先に出てきたものの次に来るもののことです。
5つ目は「ものごとが終わって残るもの」という意味で、全て終わってまだ余っている部分のことです。
上記に共通するのは「次に続くもの」という意味です。
「後」の使い方
「後」は名詞として「後だ・である」「後回し」「後押し」などと使われたり、形容詞として「後の祭り」などと使われたり、副詞として「後に続く」などと使われます。
基本的に、人の背中に面している方向や、連続しているものの次に続く時間やものに使われる言葉です。
「後」の例文
・『子供の後から仔犬が付いてくる』
「跡」とは?
「跡」は「あと」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「何かが通過したしるし」という意味で、何かが通り過ぎたことが分かるもののことです。
2つ目は「その家の家督」という意味で、その家を継ぐべき者のことです。
3つ目は「先人の手本」という意味で、昔から行われてきたやり方のことです。
上記に共通するのは「通り過ぎてきたもの」という意味です。
「跡」の使い方
「跡」は名詞として「跡が残る・残った」「跡をたどる・たどった」「跡を継ぐ」などと使われたり、副詞として「跡になる」などと使われます。
基本的に、何かが通り過ぎた時に残るものに使われる言葉です。
「跡」の例文
・『犯人が残して行った跡を手掛かりに捜査を進める』
「痕」とは?
「痕」は「あと」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「ケガして残った皮膚の変化」という意味で、傷が完治した時に残る皮膚の変色やつっぱりなどのことです。
2つ目は「物が存在したしるし」という意味で、今はないが、ある物が存在していたのが分かるもののことです。
上記に共通するのは「あったのが分かるもの」という意味です。
「痕」の使い方
「痕」は名詞として「痕が残る・残った」「痕がある・ない」「傷痕」どと使われます。
基本的に、あるものが存在していたことが分かるしるしに使われる言葉です。
「痕」の例文
・『自宅の柱に傷をつけた痕が残る』
「後」と「跡」と「痕」の違い
「後」は「人の背中に面している方向」「連続しているものの次に続く時間やもの」という意味です。
「跡」は「何かが通り過ぎた時に残るもの」という意味です。
「痕」は「あるものが存在していたことが分かるしるし」という意味です。
まとめ
今回は「後」と「跡」と「痕」について紹介しました。
「後」は「次に続くもの」、「跡」は「通り過ぎて残るもの」、「痕」は「存在していたしるし」と覚えておきましょう。