同じような意味で使われる言葉として「文書」と「資料」と「書類」があります。
ビジネスシーンでは日常的に耳にするこの言葉、具体的にはどのようなものを指しているのでしょうか。
今回は、「文書」と「資料」と「書類」の違いについて解説します。
「文書」とは?
「文書」とは、「意味のある内容が書かれたもの」を意味する言葉です。
一般的に「文書」という言葉は「個人の考えや思いなどがこめられた書き付け」を指します。
個人が様々な思いや目的にん基づいて意味のある内容を綴ったものが「文書」であり無意味な内容や機会的に記された個人の思いがこもっていなものは含みません。
「文書」の例文
・『質問に対しては文書で解答する決まりになっている』
・『視察旅行で感じたことを文書にまとめる』
「資料」とは?
「資料」とは、「参考として用いられる物品」を意味する言葉です。
「主に調査や研究などで参照されデータの補足や証拠の裏付けとなるもの」を指して「資料」と呼びます。
文字情報や画像の他に調査研究で得られたデータや出土品などの物品まで幅広く参考になるもの全ての総称が「資料」です。
参考に使用されるものを指す言葉なのでその物品が「資料」であるかどうかは参照用として使われるかどうかによって決まります。
ただの石ころや棒きれなど無価値のものであっても誰かが調査研究のために参考にすれば「資料」です。
「資料」の例文
・『研究用に資料を集める』
・『詳しい内容についてはお手元の資料をご覧ください』
「書類」とは
「書類」とは、「文字や絵が書かれた紙のたぐい」を意味する言葉です。
様々な内容が書かれた紙を総称して「書類」といいます。
内容に関して特に決まりはなく文字や絵画、図形などどのような内容でも構いません。
事務的な内容から私的な手紙まで紙に書かれたものであれば全て「書類」に含まれます。
一般的に「書類」という言葉は「製本されていない紙媒体」という意味で使われる言葉です。
まとめられている場合は数枚程度までで、数十枚がまとめられたものは「書類」とは呼ばれず「冊子」など別の言葉が使われます。
「書類」の例文
・『一日中書類を整理していた』
・『本社まで書類を届けに行く』
「文書」と「資料」と「書類」の違い
「文書」と「資料」と「書類」の違いは「媒体」と「内容」です。
「文書」は意味のある文字が書かれたもので紙媒体が基本ですが、石碑に刻まれた文字など紙以外の者にも使われます。
意味のない文字の羅列や絵や図系などが書かれているものは含みません。
「資料」は研究や調査の参考になる者を指します。
さまざま内容が書かれた紙媒体だけでなく音声や測定データ、物品なども含みます。
「書類」は文字や図形など何らかの内容が書かれている紙媒体を指す言葉です。
無意味な内容やデータなど客観的な事実が書かれているものも含みますが紙媒体のみを指します。
内容のある文字が書かれているものが「文書」、参考になるものが「資料」、何かが書かれている紙が「書類」という違いで使い分けられています。
まとめ
「文書」と「資料」と「書類」は非常に意味が近く同じ言葉として使われることもありますが本来の意味はそれぞれ異なります。
それぞれが何を指しているのかを正しく理解し混同することなく使い分けましょう。