この記事では、「困難」と「苦難」と「至難」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている単語を、区別していきましょう。
「困難」とは?
困難(こんなん)とは、とても難しいこと。
やろうと思っていても、思うように成功できないことです。
苦しくて険しい道が待っていること、面倒な問題が立て続けに訪れる様子が困難です。
困難には「困る」という言葉がはいっています。
「困る」には「悩む・苦しむ」というニュアンスがあります。
そのため、すんなり解決できない状態、苦しんでいて前に進みにくい様子を困難といいます。
ちなみに困難の反対語は、簡単なことをあらわす容易です。
「苦難」とは?
苦難(くなん)とは、苦しみのこと。
生きている間に降りかかってくる、あまたの辛さをあらわします。
思うように就職できなかったり、経営が軌道にのらなかったり、願い通りの人生にならないことを苦難といいます。
心の底から「つらい」と思う状態が、長く続くことが苦難です。
苦難には「苦しみ」という漢字が含まれています。
この漢字には「にがい」という訳もあります。
人生のどん底だと思うような苦い思い、不遇な状況をなげく気持ちが苦難です。
「至難」とは
至難(しなん)とは色々な問題があって、なし遂げられないこと。
非常にうまくいかない様子です。
どんな道を探しても、できないこと。
越えられない課題があるものを至難といいます。
至難には「至る」という漢字がはいっています。
「至」には「この上ない」という訳があります。
行き着くところまでいった、最上級の苦しみが至難です。
実現できないこと、簡単にはいかない歯がゆい状況を「至難の業」といいます。
「至難の技」と誤用されやすいので注意しておきましょう。
「困難」と「苦難」と「至難」の違い
いずれもそう簡単には、始末がつけられないことを指しています。
ただその意味合いが異なっています。
困難は難しいこと。
何かをやろうと思ったとき、不都合な問題が出てきて困ってしまう様子です。
そして困難よりも、難易度が高いのが至難です。
至難には、非常に難しいという訳があります。
試しにやってみても不可能に近いこと、この上なく難しい状況をあらわしています。
また苦難は「肉体的にも精神的にも追い込まれる」という、奥深い苦しみをあらわした言葉です。
努力がなかなか報われない、気の毒な状況を伝えています。
不遇な人生を歩んでいること、難儀な思いをすることが苦難です。
困難よりも至難、至難よりも苦みのある人生が苦難となります。
まとめ
「困難」と「苦難」と「至難」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも人生のはかなさを伝える言葉になります。
困難は困った事情があって、たやすくできないこと。
何らかの障害があることです。
そして苦難は精神的な辛さのこと。
生きている間に感じる、いくつかの試練をあらわします。
また至難は、とても難しいこと。
簡単に解決しない問題をあらわします。