この記事では、「明示」と「黙示」と「明記」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を、見定めていきましょう。
「明示」とは?
明示(めいじ)とは、きっぱりと伝えること。
すぐに分かるように、指針や態度を明らかにすることです。
決まった事項を相手に伝えるときに、用いられています。
方針を社外にオープンにすること、確実に言い切ることです。
明示は「明らかに示す」と書きます。
「示す」には、自分の考えを外に押し出すというニュアンスがあります。
そのため周囲が理解できるように、表面に出すこと。
証明書などを出す動作を「明示する」と呼んでいます。
「黙示」とは?
黙示(もくし)とは、何も言わずそれとなく伝えること。
いわゆる「暗黙の了解」に近いニュアンスで用いられています。
声に出さずに、雰囲気やこれまでの態度で匂わせることです。
「黙示」という言葉は、もともとはキリスト教の専門用語です。
神のお告げという意味がありますが、現在では「黙して示すこと」。
つまり沈黙しているにも関わらず、周りの人たちが認識している内容をあらわします。
テレパシーのように、以心伝心で伝わっていいる指図です。
「明記」とは
明記(めいき)とは、文書にしっかり書くこと。
言葉に出してこちらの思いを、はっきり相手にアピールすることです。
具体的に「こうして欲しい」と要望がある場合に、書類におとして相手に渡すことをこう呼んでいます。
明記は「明らかに記す」と書きます。
「記す」とは文章にして記録すること。
文書をつくって、内外に発表していく作業をあらわします。
そのため心の中にくすぶっている思いを、周囲にアピールしたいとき「明記」を用います。
ビジネス文書に細かい項目を記入していく動作も「明記する」といいます。
「明示」と「黙示」と「明記」の違い
「明示」とは、態度や考えを明らかにすること。
ある問題に対する、具体的な対応を発表することです。
どのような対処をしていくのか、はっきり表すことが「明示」になります。
また「黙示」は明言しないのにも関わらず、周囲が悟ってくれること。
その場の空気や雰囲気を呼んで、周りの人たちがルール化している掟をさします。
「沈黙の指示」が黙示です。
また明記とは、自分の意見や要望を文書化すること。
書類に細かな項目を書いて、相手に見てもらうことです。
まとめると無言の指示が「黙示」。
声に出して発表するのが「明示」。
声に出しながら、文書も発表するのが「明記」です。
まとめ
「明示」と「黙示」と「明記」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「明示」とは態度や考えを、はっきり表明すること。
指針を発表することです。
そして「黙示」は、黙っていても理解されている考えのこと。
周囲がおしはかって、配慮する様子をあらわしています。
また「明記」はこちらの考えを文書に書いて、考えを伝えること。
書類や文書を作成するシーンで使います。