何かを呼ぶ場合、本来持っている正式な名前以外を使う場合があるのは世界共通である面白い習慣です。
今回はよく聞く単語3つについてご紹介致します。
この記事では「俗称」と「通称」と「相性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「俗称」とは
これは『社会やグループの中で通っている本来の名前とは違う呼び名』を表している言葉です。
一点ポイントがあり、実は仏教関係の言葉でもあり、『出家前の呼び名』という意味があります。
『俗』という漢字には『世の中』や『一般』という意味以外にも『ひくい、卑しい』というネガティブな意味も持っています。
例えば『俗物』という言葉がありますがこれは『世間的な名誉や利益に心を奪われたつまらない人間』という意味を持っています。
このイメージから『俗称』とはどちらかというと込められた意味があまりポジティブではなく、どこか皮肉を込めた響きになっています。
‐「俗称」の例文
・『警察庁組織犯罪対策部を俗称でマル暴と呼ぶ』
・『デカなどという俗称を使わず、正式に刑事というべきである』
「通称」とは
これは『正式ではないが世の中で一般的に使われている名前』という意味を持っている言葉です。
ポイントは『世の中で一般的に』にあります。
基本的に世の中に知れ渡るということはいい意味でも悪い意味でも使われます。
例えば京都の鹿苑寺はそのきらびやかな外観から『通称』で『金閣寺』とよばれ、本当の名前を憶えている人は少ないです。
特殊な使われ方としては結婚して姓が変わっても便宜上で旧姓を使うこともあります。
これもまた一つの『通称』ということができます。
「通称」の例文
・『彼は『ヒカル』という通称でこの業界では知れ渡っている』
・『彼女は結婚後も職場では通称を使って仕事をしている』
「愛称」とは
これは『親しみを込めてよぶ名前』です。
漢字で『愛』を使っていることからもとてもポジティブな印象を想像できる言葉です。
いわゆる『ニックネーム』と同じ意味になる言葉となっています。
『愛称』を使う対象は友人やペットなどはもちろん、製品などにも使われることがあります。
例えば正式名称がすでについているのにその見た目から『ドーナッツ池』や『めがね岩』の様な『愛称』をつけて呼ぶというのは子供のころにしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「愛称」の例文
・『エリザベスの愛称は『ベス』というものがある』
・『立場や年齢は違うが、あの二人は職場でも愛称を使うほど仲がいい』
「俗称」と「通称」と「愛称」の違い
3つとも本来の名前とは別であるという部分を共通にしてそれぞれ『ネガティブで皮肉を込めた呼び方』、『いい意味でも悪い意味でも使われる呼び方』、『親しみを込めた呼び方』という違いをつけることができます。
『俗称』と『通称』はとても意味が似ており使い方に迷いますが、『俗』と『通』という意味を比べた時に前者の方がネガティブな意味を持つと捉えられることもある為注意が必要です。
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回は何かを違う呼び方をするという部分を『俗称』、『通称』、『愛称』の3つから見ていきました。
特に最初の2つは混同しやすいので是非この微妙なニュアンスを理解できるようにしてみて下さい。