同音異義語はややこしく間違いやすいものです。
これがビジネスで使われると更に注意しなければなりません。
今回はそんなややこしい3単語についてご紹介致します。
この記事では「工業」と「興業」と「興行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「工業」とは
これは『自然の原料に人の力や機会の力で加工を施し、付加価値のある生産物を製造する産業』を表している言葉です。
一言では『加工業』や『製造業』と言ってしまうこともできます。
『工業』は大きく重い機械や設備を生産する『重工業』と消費財関連を生産する『軽工業』に分類できます。
『重工業』は鉄鋼業や自動車製造業、造船業などがあり、『軽工業』は繊維業、食品業や製紙工業などがあります。
つまり『工業』とは数あるビジネス形態の一つということもできるのではないでしょうか。
‐「工業」の例文
・『近年の中国工業の発達は目覚ましい』
・『この地域は工業を基礎として再建をする必要に迫られている』
「興業」とは
これは『新規で事業を立ち上げたり、その産業を盛んにすること』という意味を持っている言葉です。
つまり新しいビジネスを立ち上げたり、盛り立てていくという『行為』に重点を置いた単語で特定の業種のことを指している言葉ではないことがお分かりいただけると思います。
有名な『吉本興業』という会社がありますが、この企業のビジネス内容を見るとお笑いを中心にしてはいますが、ラジオやテレビ番組の製作、タレントのプロモートや育成、劇場運営など多岐にわたり、お笑いを盛り立てたり立ち上げたりしています。
このことからも『興業』が『行為』にポイントを置いているのが理解できませんでしょうか。
「興業」の例文
・『A社は業界でもたぐいまれな興行師集団として名をはせている』
・『地域で一体となり興業をしなければ今後の発展はあり得ない』
「興行」とは
これは『観客を集めて料金を取り、演劇や映画などの見世物を催すこと、または催しものそのもの』を表す言葉です。
古くは宗教の儀式などを催すことも『興行』と呼ばれていました。
漢字を見ても『行うことを興す』となっていますので、何かしらを行って盛り上げたものを見せるというイメージを持つことができるのではないでしょうか。
例えば映画などの売上を『興行収入』といわれているのをみたことがある方は多いと思います。
これは映画や演劇など見世物に対して入場料に有料入場者を掛けた金額を指します。
「興行」の例文
・『若手芸人は地方を回って興行している』
・『この演劇は1日2回の工業を行っている』
「工業」と「興業」と「興行」の違い
それぞれ『何かを製造したり加工する産業』、『ビジネスを興したり盛り上げたりすること』、『催し物』という違いをつけることができます。
『興行』は製造業や加工業など特定のビジネス形態を表しているのに対して『興業』や『興行』は不特定を指し示すという違いも付けることができるのではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
同音異義語の中でも今回は仕事やビジネスでよく使われる3つについてご紹介しました。
音は同じでも全く内容は違っている為、特に注意が必要です。
もしも難しい場合は『工業』は『Industry』(インダストリー)、『興業』は『Promotion』(プロモーション)、『興行』は『Entertainment』(エンターテイメント)とカタカナ言葉や英語で覚えてみるのもわかりやすいかもしれません。
是非試してみてください。