この記事では、「回復」と「治癒」と「快復」の違いを分かりやすく説明していきます。
「回復」とは?
2つの意味があります。
ひとつは、好ましくない状態のものが元の状態に戻ること、また戻すことです。
疲れてくたくたになってうれしい人はいないことでしょう。
疲労は好ましくないものです。
疲れているときにマッサージを受けたり、お風呂に入ったり、好きなものを食べたりすると、疲れる前の状態に戻れることがあります。
これを「疲労からの回復」といいます。
もう一つの意味は、今まで備えていたものや持っていたものをなくしてしまったけれど、それをもう一度手に入れることです。
企業が不祥事を起こすと、大手企業であっても人から信頼されなくなってしまいます。
これまでは製品を購入していた人も、今後は購入しなくなってしまうことでしょう。
それは信用をなくしてしまったからです。
しかし、失った信用は取り戻すことができます。
一度なくしてしまったけれど取り戻すことができた場合をこの言葉は意味しています。
「回復」の例文
・『回復の見込みは薄い』
・『回復には時間がかかる』
「治癒」とは?
病気やケガをしてしまったけれど、もとの良好な状態に戻ることです。
病気やケガといっても、糖尿病、クローン病、肺炎、すり傷、切り傷などさまざまなものがあります。
この言葉には、どういった病気やケガなのかという意味は含まれていません。
たとえば、料理をしているときに誤って包丁で指を切ってしまったとします。
皮膚が裂けて血が流れてきます。
皮膚が裂けている部分は、いずれくっついてもとの状態になります。
このことをこの言葉は意味しています。
肺炎になると咳や熱がでます。
しかし、適切な治療を受けて休んでいれば、咳や熱はいずれ治まります。
もとの状態に戻っているのです。
これもこの言葉が意味することです。
「治癒」の例文
・『治癒を促す』
・『自然に治癒した』
「快復」とは
病気をしてしまったけれど、もとの良好な状態に戻ることです。
病気にはいろいろな種類がありますが、この言葉にはどのような種類なのかという意味は含まれていません。
たとえば、これまで元気に遊びまわっていた猫が病気にかかってしまったとします。
病気になったため、これまでのように活発に動けなくなりました。
ぐったりとして元気がありません。
動物病院で適切な治療を受けたり、休ませたりすれば、以前のように活発に動き回れるようになります。
病気だった状態からもとの状態に戻ったのです。
このことを意味する言葉です。
「快復」の例文
・『快復の途上』
・『快復に向かっている』
「回復」と「治癒」と「快復」の違い
「治癒」と「快復」は病気から治るという意味が同じです。
「回復」は好ましくない状態からもとの状態に戻ることで、病気は好ましくないことなので、病気からもとの状態になることという意味にもなります。
そのため、病気については3つの言葉の意味はほぼ同じです。
まとめ
好ましくないものが元に戻るという意味が同じです。