「模写」と「複写」と「トレース」の違いとは?分かりやすく解釈

「模写」と「複写」と「トレース」の違い生活・教育

盗作疑惑や著作権に関する話題で使われる言葉として「模写」「複写」「トレース」があります。

これらの言葉を混同している人もいますが本来はどのような意味を指しているのでしょうか。

今回は、「模写」「複写」「トレース」の違いについて解説します。

「模写」とは?

「模写」とは、「あるものを再現し同じようにかくこと」を意味する言葉です。

一般的には「他人の作品を再現して同じように写しとること」という意味で使われる言葉で主に美術業界で用いられます。

「模写」が目指すのは「参考にしている作品をそっくり同じように再現すること」です。

「模写」の目的は「作品への理解」です。

技法や手法をなぞり作品を同じようにかくことで製作面から理解を深めよう、というのが「模写」の目的であり一般的には名画や名作など優れた製作者の手による作品を参考に技術的理解を深めるために行われます。


「模写」の例文

・『美術館では若手芸術家支援を目的に模写を許可している』
・『有名な作品を模写することで細かい技術を学ぶ』


「複写」とは?

「複写」とは、「文書や画像などを同じように写しとり複製すること」を意味する言葉です。

一般的には「紙にかかれた内容を別の紙に写し取ること」「複写」と表現します。

写しとる手法は何でもよく印刷機で印刷したりコンピューターや専用装置を使って写し取ったりなどさまざまな方法で「複写」が行われますが、手でかき写す行為については「複写」に含まれません。

「複写」の目的は「複製品の作成」です。

本物の予備や控えとして同じ内容のものを用意したり代替品として作成したりなどいろいろな用途がありますが、元となる原本をそっくりそのまま同じように写しとる行為が「複写」です。

修正を加えたりタッチを変えたりなど意図的に違いをつける行為は「複写」には該当しませんが不作為の違いに関しては「複写」として扱われます。

「複写」の例文

・『保存用と閲覧用を区別するため資料を複写する』
・『研究のために複写した文書が配られる』

「トレース」とは

「トレース」とは、「元となる図や形をなぞって写しとること」を意味する言葉です。

見て参考にしたり似せてかいたりするのではなく「原本の上に直接紙を載せて筆記用具でなぞリ線や図形を写し取る行為」「トレース」といいます。

「トレース」はできるだけ原本に近づけて再現したいときに使われる技法で、人の手でかき写すときには下が透けて見える薄紙などが用いられます。

近年は原本をデータ化してデジタル的に「トレース」が行われるケースも多く実際に重ねあわせて確かめてみると寸分の狂いなくぴったり一致するほどの精度で写し取ることが可能です。

「トレース」の例文

・『原画をトレースしてセル画を仕上げる』
・『他人の作品を無断でトレースしてはいけない』

「模写」と「複写」と「トレース」の違い

「模写」「複写」「トレース」の違いは「技法」「目的」です。

「模写」は作品理解や技術向上のために自分の手で他人の作品を再現することを意味します。

「複写」は複製のために機械や装置を使って内容を写しとることを意味します。

「トレース」は元となるものから直接写し取って再現することを表しており忠実に再現しなければいけないときに精度向上のために用いられる手法です。

まとめ

「模写」「複写」「トレース」はどれも原本と同じようなものを再現することを意味しますが具体的な方法や目的によって使い分けられています。

著作権関連ではよく登場する言葉なのでそれぞれの意味を正確に覚えておきましょう。