この記事では、「投影」と「投射」と「投映」の違いを分かりやすく説明していきます。
「投影」とは?
「投影」とはスクリーンや地面などの平面に、人や物の影を映すことです。
またそうして映された影自体も「投影」と呼ばれます。
人や物などの三次元的なものは複雑な色や形をしていて、それが人に与える印象に影響を与えたり、情報がゴチャゴチャして伝えたいこと以外に気を取られてしまいかねません。
そこで人をそのまま映さず「投影」すると、見た目が影というシンプルな形になり、何をしているかという重要なポイントに意識を向けさせやすくなったり、見ている人に想像させる形で興味を引いたり、現物が用意できなくても似た物で代用しやすくなります。
こういった様々なメリットのために、そのものではなく、あえてシルエットを映すのが「投影」です。
「投射」とは?
「投射」とは何かへと光や影を投げかけることで、特に舞台のスポットライトをあてることや、スクリーンなどに影を映すための光を照射することを指します。
光の場合は全体的に照らす事というよりは、一部だけ照らすことに使われがちです。
スクリーンに影を映すという場合、そのための光を照射することが本来の「投射」ですが、そうして影を映すことも「投射」と呼ばれます。
厳密に言えば、地面やスクリーン、壁などに人や物の影を「投影」するための光を照射することが「投射」です。
しかし「投射」すれば当然「投影」もされるので、同じ意味として使われるようになりました。
「投映」とは?
「投映」とは映像や図形を映し出すことを指す言葉です。
映画などの動画を映すこともあれば、書類の内容や画像などの動かないものを「投映」することもあります。
しかし「投映」するものはなにかの影ではなく、動画にしろ静止画にしろ、なにかそのものです。
色がカラフルだとは限りませんが、白黒のものであっても影のようなシンプルな造形ではなく、なにかの文章であったり、白黒で表現された絵や写真、動画が「投映」されます。
影以外の図形や映像が映し出されることが「投映」と覚えておきましょう。
「投影」と「投射」と「投映」の違い
「投影」は影を映すことで、「投射」は影を映すために光を照射すること、そして「投映」は映像や図形などの画像を映すことを指します。
それぞれが同一視される言葉ですが、厳密な意味としては映す場所との間にものはさんで光を照射することが「投射」、それによってできた影が「投影」という関係です。
「投映」は動画静止画を映すことで「投影」とも「投射」とも無関係と言っていいですが、「投映」するための光を出すことが広義の「投射」にあたるので、「投影」と混同、同一視されたという関係になります。
まとめ
まずものに対して影だけを映すのか、動画や画像を映すのかで「投影」と「投映」の使い分けをして、そのための光を照射することが「投射」だと理解すれば、「投影」と「投射」と「投映」の関係性について十分理解できていると言えます。
ただし実際の使い方としては、「投影」も「投射」も「投映」も、何かを映すことという同じ意味で使われがちです。